二世帯住宅の悩みとは?失敗から学ぶ成功ポイント
二世帯住宅へリフォームしようと考えておられる親世帯の方。将来のことを考えると、二世帯住宅へ実家をリフォームした方が良いのではと考えておられる子供世帯の方。
二世帯住宅にはメリットがあります。でも、どのようなことも同じですが、悩みや不満などデメリットもあります。
そのため、デメリットを予め考えないままメリットだけに注目してリフォームすると、せっかく費用と時間をかけて出来上がった二世帯住宅が使われないことになり、お互いの世帯の間でしこりができて失敗してしまう。そんなケースも無いわけではありません。
そこで今回は、二世帯住宅リフォームを専門に行うアップクラフトが、これまでの経験から成功するポイントについてお話していきたいと思います。
Contents
1: 二世帯住宅の悩みと失敗
二世帯住宅で暮らし始めると、次のような悩みや不満が出てくる。そんな方もいらっしゃいます。そこで予めどのような悩みや不満が出てきやすいのかをしっておくことで、失敗する確率を減らすことができるはずです。
これから二世帯住宅を具体的に検討される方に、ぜひ参考にしていただいきたいポイントを集めました。
(1)プランニング
二世帯住宅へリフォームする場合、間取りを変更する必要が出てきます。そこで間取りのプランニングを行うのですが、親世帯または子世帯のどちらかだけの立場で考えてしまうと、一方にとっては快適でも、もう一方にとっては大変暮らしづらい状態になってしまうことがあります。
特にお風呂の場所に関しては、お互いのライフスタイルと大きく関係していますから、気軽に朝や夜中でも利用できる場所にしておきたいところです。
仮にお風呂がリビングを通らないと行けない場所にあるとすると、お風呂へ入る時間を監視されている気がするかもしれませんし、言わなくても良い一言を子世帯へ言ってしまい険悪な雰囲気になることも考えられます。
また、トイレに関しても同じでして、臭いと音によって不快に感じることが増えると暮らしづらくなります。そうすると気軽にトイレへ入れないのでガマンし、体調不良の元になることも考えられます。
理想的なのは、お互いの世帯別に浴室やトイレを設けるようにプランニングすることでしょう。
(2)共有スペース
玄関や浴室、トイレ、洗面所、リビング。2つの世帯が共有するスペースです。お互いに似たような価値観やライフスタイルなら気になることも少なく暮らせるのですが、少しでも違っていると失敗の原因になりやすい部分とも言えます。
例えば、
- 玄関が共有スペースになると靴で溢れる
- お風呂の時間が近いと混雑する
- 朝のトイレが大渋滞
- 朝の洗面も大渋滞
- リビングで好きなテレビが見られない
- リビングのインテリアのセンスが合わない
このような不満を感じる方が多いようです。特にトイレと洗面に関しては、渋滞するとイライラしますので良い結果にはなりません。
共有スペースの活用は、ライフスタイルによって柔軟に分けることを意識しておきましょう。
(3)水まわり
トイレや浴室以外にトラブル原因になりやすいのが水まわりの代表である「キッチン」です。
キッチンは世帯によって全く使い方が違います。そのため、お互いの価値観を押しつけ合うと、すぐに不満へとつながります。
メインのキッチンとミニキッチンの2つを上手く使う間取りも検討しておきましょう。
(4)生活動線
忙しい朝が顕著になります。世帯によって家の中での動きが違います。動きを考えずに間取りを設計すると、廊下や玄関先で渋滞が起こってしまう。そんなこともあります。
親世帯の動き、子世帯の動き。それぞれを具体的にイメージしてみてください。朝起きてから家を出るまでの行動を思い描いてみてください。
これだけでもかなりの不満を解消できます。
(5)生活時間帯
親世帯と子世帯との間で最も違いが起こりやすいのが、生活する時間帯です。
親世帯は朝早くに起き、夜は比較的早く寝る。
子世帯は平日の朝は早いけれど休日はゆっくりしたい。夜は0時を過ぎてから寝る。
こういう時間帯で生活すると、どちらかに不満が出てきます。
親世帯からすると、寝ている時間にお風呂へ入られるとうるさくて眠れない。
子世帯からすると、休日も早く起きられてはゆっくりできない。
このように生活時間にズレが起こることは、どこの家族でもありますので、まずはお互いの生活時間帯を洗い出して違いを認識するところから始めましょう。
一緒に暮らし始めてから「こんなに違うとは」と後悔するよりも、先に知っておくことで対策することができます。
(6)生活音
お風呂の音。トイレの音。洗面所のドライヤーの音。玄関のドアの音。テレビの音。
生活すると様々な音が出てくるものです。そして音は人によって気にならないこともあれば、大変ストレスになることもあります。
二世帯住宅で音がストレス原因になると、どうやっても解決することができません。どちらかの生活スタイルを変えるか、遮音性能を高めた部屋にするかが解決方法として考えられますが、どちらも現実的ではありません。
そのため、予め生活音が出る場所を特定し、音が発生しやすい時間帯を確かめておきましょう。
子世帯の入浴が夜遅いのなら、親世帯の寝室から離すことで解決できます。また、小さなお子さんがいらっしゃる場合ですと、親世帯の寝室の上には子供部屋を作らないようにすることで、かなり音の問題を回避できます。
子世帯の帰宅が遅くなるため玄関の音が気になるのなら、親世帯の寝室から離れた場所に、もう一つ玄関を設置しても良いですし、夜用の勝手口を用意しておくという方法も考えられます。
(7)収納スペース
二世帯が暮らすと、一般的な収納スペースでは足りなくなることがあります。できるだけ荷物を減らす努力が必要ですが、それでも足りないこともあります。
できるだけ収納スペースを意識しておくことも大切ですが、全ての荷物を自宅へ置いておかなくても良いのなら、貸倉庫なども検討しておきましょう。
(8)プライバシー
郵便物や宅配便に始まり、普段の暮らし方まで含めてプライバシーに関する悩みは多いようです。
お互いに悪気がなくても、つい干渉してしまったり、届いた郵便物や荷物を詮索してしまったりすることから、トラブルへ発展することもあります。
また、リビングでゆっくりしていると、廊下からチラッと見られていることがわかると、プライバシーを侵害されている気にもなります。
こうしたトラブルを起こさないためには、お互いの配慮も必要ですし、お互いの世帯が干渉しないプライバシーを守れる部屋を用意しておくのも方法です。
2: 二世帯住宅の成功ポイント
二世帯住宅で成功するためには、悩みや不安を先に理解した上で、次のポイントを検討しておくことです。
(1)役割分担やルール
お互いの世帯での役割や家族ルールを決めておきましょう。
これだけでも悩みを減らすことができます。
(2)干渉の度合い
干渉の度合いは人によって違います。自分は良かれと思っても、相手は困っているかもしれません。
お互いの世帯の価値観やライフスタイルへは、干渉しないことがベストです。
(3)個室の確保
どうしても一人になりたい時があります。そうした場合、プライバシーを確保して一人になれる個室の確保も忘れてはいけません。
(4)お互いの世帯への尊重
干渉にもつながりますが、まずはお互いの世帯の暮らし方や考え方を尊重しましょう。
二世帯住宅で成功するためには、自分の価値観や暮らし方を相手に押しつけないことが大切です。どうしても親世帯は「こうでないと」「自分たちと同じでないと」と考えてしまいがちですが、子世帯も十分に大人です。子世帯を信じて見守っておく余裕が必要です。
(5)事前の話し合い
ここまでの内容を参考にして、十分に話し合っておきましょう。
- こんな問題が起こりそう
- 不満も出てくると思う
- こういうとき干渉してくるかも
マイナス要素を隠さずに出し、話し合いを通してルールを決めることが重要です。その上で、どんなタイプの二世帯住宅が自分たちに合っているのかを検討し、リフォームへ進んでいただきたいと思います。
3: まとめ
二世帯住宅のリフォームはメリットも多いです。しかし、今回お話しましたように、お互いに配慮しながら生活しないと衝突してしまうこともあります。
ぜひ今回の内容を参考にして、事前の話し合いに時間をかけてください。そうすることで失敗する原因を減らし、メリットが感じられる暮らしを手に入れることができます。