シニアのリフォームは間取りで変わる!安心して暮らせるポイントはコレ!
50代以降の方でリフォームを検討されているのなら、自分たちには「まだ少し早いかな?」と思える「老後」のことを考えておくことが大切です。
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1: シニアのリフォームは「間取り」で変わる
現代の50代の方に「シニア」という言葉は似合わないものですが、もし、あなたが次のようなことを普段の生活で感じることが増えたのなら年齢的なことではなく、生活スタイルが求めているのは「シニア」にも安心できる暮らしだということです。
(1)50代から気にしておきたいこと
布団の上げ下ろし。起き上がるときや床から立ち上がるとき、ひざや腰に痛みを感じるようなことはないでしょうか?
30代、40代のときと比べると「きついことが多いな」と感じていないでしょうか。
もしこういう感じ方をされることが増えてきているのなら、10年後も快適な暮らしを続けるために「シニア」にもやさしいリフォームを考えておきたいところです。
また、60代に近い方ですと、立ち上がるときにフラつく。手で何かを持ってカラダを支えながらでないと立ち上げるのが不安。このような経験はありませんか?
こういう不安を抱えた暮らしをされているのなら、60代に突入した後、10年後、20年後になると、今よりもカラダを上手く支えることが難しくなりますし、立ち上がるときの力も弱くなり、家庭内で多い「転倒」を経験することになる可能性が高まります。
このようなことは、人間なら誰しも訪れる「老化」という自然現象ですから、程度の差こそあれ誰にでもやってきます。
そのため、無理に老化へ立ち向かうのではなく、老化を受け入れた上で、安心して暮らせる住宅の改修(リフォーム)が重要になってきます。
(2)元気なときこそ計画
話をすると、「なるほど」と思っていただけるのですが、50代の方が具体的にリフォームの計画をされることは多くありません。特に「老後」を考えたリフォームの計画は、後回しになってしまう傾向が強いです。
しかし、カラダが10年前と比べると動きにくくなってからリフォームを計画しようとしても、それだけの体力や集中力がついてきません。
ですから、元気なうちの50代に「カラダの衰えをカバー」できるような、10年後を見据えてリフォーム計画が必要なのです。
残念なことですが、50代を過ぎるとカラダの機能低下を認識する場面がやってきます。そのタイミングでシニアにもやさしく安心できるリフォームを計画していただきたい。このように経験から感じています。
(3)設備の機能が変わると難しい
間取りとは関係ありませんが、どうしてもお伝えしておきいたいことがあります。それは住宅リフォームに多い「設備」の交換。
新しい設備は基本的に多機能です。そのため上手に扱えると大変便利。しかし、使いこなせないと、いざというときに使えないモノになってしまいます。
ここで知っておいていただきたいのは、新しい設備に交換した後、新機能を使いこなしカラダが覚えるのは、50代くらいまでだということです。
60代、70代に入ってから最新性能の設備をリフォームで取り入れても、おそらく機能の半分も使えません。そのため50代の頃にリフォームを行い、新しい設備に慣れ親しんでおくことで、60代、70代を迎えた頃にも対応できるようにしておくのがベストな選択。
年齢を重ねると誰でも新しいことが覚えにくくなります。理解するまで時間が掛かってしまうものです。ですから、早めに準備しておくことが大切です。
(4)よい間取りのキーワード
さて、シニアリフォームを成功させるためのキーワードについてお話します。
いろいろと考えることはできますが、もっとも重要なポイントはこれです。
「笑顔に変わるか」
例えば、玄関で靴を履いたり脱いだりするとき、前屈みになるのが「ツライ」表情だったのが、玄関リフォームをすることで「笑顔」に変わるかどうか。
廊下を歩くとき、壁に手を付きながら不安そうに歩いていたのが、手すりを取り付けることで「笑顔」に変わるのかどうか。
このように想像していただくと、必然的にシニアが安心して暮らせる間取りに近づいていきます。
何も若い方が生活されるような、オシャレな間取りが必要なのではありません。シニアリフォームでは、自分たちが安心してケガをすることなく暮らせる間取りが正解です。
機能だけで考えずに「笑顔に変わるのか」どうかを想像してみてください。
2: 快適で安心できる間取りのヒント
健康でケガをすることなく生活できる間取りのヒントをお話していきます。
(1)キッチン
キッチンは毎日使います。そのため、安心して使えることが大切。
- 家事をする上での動き方(動線)
- 収納のしやすさと取り出しやすさ
どうしてもキッチンは、
- 立っている時間が長くなる
- かがむことが多い
- 伸びることが多い
カラダへの負担が増える場所です。無理をしなくても使えるようにするのがおすすめです。足台に乗らないと届かない収納などは、必要のないものを入れておく場所になるだけですし、足台に乗ることで転倒のリスクもアップします。
それなら、立ったまま収納と取り出しのできるタイプを選ぶ。このように考えてください。
(2)ダイニング
人が集まる場所です。足元にモノを置かないように「見せる収納」を心掛けましょう。
これだけでも転倒のリスクが減りますし、お掃除も楽になります。
(3)リビング
他の部屋とつながりを持たせることで使い勝手が上がります。
シニアですと趣味の部屋としても活躍しますので、自分たちが楽しめる空間にしておくと良いですね。
(4)寝室
ポイントはお互いに気配が感じられるようにしておくこと。これだけでもかなり安心して就寝できます。
(5)浴室
気温の変化を受けにくく、転倒のリスクを減らせる作りが必要です。浴室への出入り口は引き戸にすることで使いやすくなります。
(6)洗面所
スペースを少し広めにしておきましょう。
洗面所を使うとき、ベンチを使うようになった場合も便利です。
(7)トイレ
ここも浴室と同じように気温の変化が大きくならないようにしておきましょう。また、転倒のリスクも高いので手すりは必須です。
3: 介助や介護を考えたポイント
シニアのリフォームで外せないのが「介助と介護」。ポイントをお話します。
(1)寝室と水まわりの考え方
介助と介護は考えておきたいポイントです。
そこで可能なら実現してもらいたいのが、寝室と水まわりの間取りです。
- 寝室の近くにトイレを設置
- 脱衣場と浴室、寝室をできるだけ近くに配置
- 車椅子でも動きやすい動線
介助や介護の負担(介護する人、される人どちらも同じです)の中で大きいのが、寝室からトイレへ行くこと、浴室へ行くこと。
まずは、ここがクリアできると負荷が減ります。
次に車椅子での移動が楽にできることです。廊下の幅を少し広めにする。部屋の間口を少し広めにする。敷居をフラットにする。
こうした計画をしておくと、いざというとき困りません。
また、二階建ての住宅にお住まいの場合、いざというときは1階だけで暮らせるように計画しておくのが理想です。
(2)バリアフリーは「当然」と考える
50代からのリフォームでは、バリアフリーは「当然」と考えてください。
まだ少し先だし。自分は大丈夫だから。
このようなご意見もありますが、人は誰でも自然現象で老いていきます。これは誰にも止められません。経験から申し上げますが、バリアフリーは計画して当然なことです。
4: まとめ
50代以降の方でリフォームを検討されているのなら、「老後」のことを考えておいてください。
今はまだピンと来ていないでしょう。しかし、5年、10年経つ頃には「老後」を見据えたリフォームをしておくと、もっと楽に暮らせたかもと感じられるはず。
後悔しないためにも、暮らしにくいまま生活するよりも、50代からのリフォームでは「シニアリフォーム」と考えて計画していただきたいと思います。