二世帯住宅の問題は解消できる?気になる原因やお金と・上手くいく間取りとは
二世帯住宅を始めたけれど、同居を解消したい。そんな方も少なからずいらっしゃいます。
そこで今回は解消したくなる原因。解消したときのお金の問題。そもそも解消しなくても良い間取りのアイデアについて紹介していきます。
この記事は、「同居を解消しようか」と考えている方や、二世帯住宅の検討を始めた方にとって参考になる内容です。
Contents
1: 二世帯住宅を解消したくなる原因とは?
次のような悩みを持っている家族もいらっしゃるのではないでしょうか?
「同居がうまくいかず、毎日の生活が気になってイライラしてしまいます。いっそ別居する?という流れになり、悩んでいますが良い解決方法が見つかりません。」
こういった二世帯住宅を解消したくなる悩みには、次のような原因が多いものです。これから二世帯住宅をと考えておられる方には、こういった原因が潜んでいる可能性を知っておいていただき、先回りして解決策を用意しておきましょう。
(1)相性が合わない
親世帯と子世帯の相性が合わない。これは最も多い原因だと思います。しかし、合わないことは当たり前。
これまでの生活スタイルも違えば、大きくなってきた環境、人間関係など全てにおいて違っていますから、むしろ「相性が合う」ことの方が不思議だと思えます。
親子でも相性の全てが合うことはありません。まして「義理の親」であればなおさらです。
(2)価値観が違いすぎる
相性が合わないことの次に多いのが価値観の違いです。
この場合の価値観とは、大変小さなことも含まれています。
- ドアの閉め方
- 食器の洗い方
- 食器の片付け方
- トイレの使い方
- 浴室の使い方
- タオルの使い方
- 洗濯物の順番
- 洗濯物の干し方
上げるとキリがありません。本当にちょっとしたことなのですが、価値観の違いは「許しづらい」ことも多いため、一度気になると無視することが難しくなります。
「まぁ、いいか」と思えれば良いのですが、これが難しいところです。
(3)干渉が強い
親世帯からの干渉が強い。これは良く聞く話です。
親世帯からすると、子世帯は「子供」。孫は「自分たちの孫」。
このように捉えてしまう方もいらっしゃいますので、ついつい言わなくても良いことまで口をはさんでしまう機会も出てきます。
また、義理の親から言われた場合、小さなことでも言われた方は非難や否定と感じやすいもの。
程よい距離感を保つこと。子世帯と言っても自分たちの所有物ではないこと。基本的に同居していても世帯が違うということは「他人」であることを理解する必要があります。
(4)プライバシーを無視する
一つ屋根の下に住んでいるから自分たちの好きにしても問題ない。気になるから見ているだけ。
親世帯からのこうした行動は、子世帯にとって大きなストレスになります。
大きくなった環境も違いますし、社会常識も変化しています。今の常識に即した考え方をどちらの世帯も身につけ、「自分がされたら嫌なことはしない」という気持ちを常に持っておきましょう。
(5)兄弟姉妹がトラブルを運んでくる
親世帯と子世帯は上手くいっている。お互いに配慮し、大変上手く暮らせている。
こうした二世帯住宅に、兄弟姉妹がトラブルを運んできて困るということもあります。
- 兄弟夫婦がひがんでトラブルを持ってくる
- ありもしない噂話をしにくる
- 新興宗教の勧誘にやってくる
- 保険の勧誘にやってくる
自分たちではコントロールできない原因です。同居ならではの問題原因だと言えます。
(6)親戚づきあいが多い
家のまわりが親戚ばかり。
毎日のように、親戚の誰かがやってくる。そして、家に入ると長い。
これは大変疲れます。こういった原因で二世帯住宅を解消しようと考えられる方もいらっしゃいます。
親戚づきあいは必要ですが、2つの世帯が暮らしていますから、お互いに疲れないような間取りを考えて対処しておきたいところです。
(7)孫の世話が大変
最初は孫の世話が楽しかった。でも、毎日となると疲れて大変。
生真面目な方に多いですが、がんばり過ぎて体調不良を起こしてしまうこともあるようです。
一見すると二世帯で上手くいっているように見えますが、こんな原因もあります。
(8)生活音
子供の足音がうるさい。夜のシャワーがうるさい。夜中に何度もトイレへ行く音がうるさい。テレビの音がうるさい。
どちらの世帯も音に関するストレスを抱えると、毎日のことなので気を遣いすぎて疲れ果ててしまいます。
生活音こそ、間取りで解消できますので経験豊富な二世帯住宅を専門にしている業者へ相談してみてください。少しの間取り変更で対処できる可能性があります。
2: 二世帯住宅を解消するとローンはどうすればいいの?
もし二世帯住宅を解消するとなると、気になるのがローンについて。それぞれのケースで見ていきます。
(1)子世帯が二世帯住宅を出る場合
子世帯がローンを組んでいる場合、子世帯が家を出ても、二世帯住宅の支払いは継続する必要があります。
親世帯との間に賃貸契約を結んで、家賃をローン返済にあてるなど検討しましょう。
(2)親世帯が二世帯住宅を出る場合
ローンも家も土地も子世帯の名義なら(年齢的にこのパターンが多いです)、親世帯が出て行ってもローン返済はこれまでと同じ子世帯が行います。
ただし、一般的な不動産事情を考えると、高齢になっている親世帯が出て行っても、アパートやマンションの契約は難しいものです。多くの場合、契約を断られる可能性が出てきます。
現実的には、親世帯が残り、子世帯が出て行くパターンが増えます。
(3)ローン以外のお金の問題
ローン以外にお金の問題が出てくることもあります。例えば次のようなことです。
- 同居解消と共に、相続拒否された
- 出て行く世帯のために新居費用を要求された
お金が原因になると、親子関係も一気に悪化します。兄弟姉妹がいるとなおさらです。
3: 二世帯住宅を解消しなくても良い間取りとは?
このような原因によって二世帯住宅を解消されるご家族もいらっしゃいますが、できれば解消しなくても良い家にしておくことが先決だと私は思います。
(1)鍵は「プライバシー」
解消しなくても良い家の鍵は「プライバシー」の確保です。家族が共有する部分と、個人のプライバシーがしっかりと守れる間取りを検討しましょう。
言葉は悪いですが「避難場所」を作っておくと考えても良いですね。
(2)玄関共用をどうするか
コミュニケーションを重視される家族同士なら、玄関は共用にしておくと適度な距離感でお互いの状態が伝わってきます。
介護を見据えた二世帯住宅。片親との同居。こうしたケースでは玄関を共用にしておくと安心です。
反対に、外出のたびに理由を聞かれると困る。帰宅時間は気にしたくない。という場合は、玄関を分けておくのがベスト。
どちらかの世帯が、比較的いつも家に要る場合ですと、どうしても誰かが外出すると気になって聞いてしまいますので、玄関を分けておいた方が良さそうです。
(3)間取りによる工夫
水まわりと寝室は離すのが原則です。また、上下に分けて世帯が暮らす場合ですと、1階の寝室の上には水まわりや子供部屋を配置しないことで、かなりのストレスを解消できます。
4: まとめ
二世帯住宅を解消したい場合、今回お話しましたような原因が多いです。しかし、こうした原因を先に知っておくことで、間取りを工夫すればかなり問題を解消できるものです。
今まさに解消を考えているご家族。これから二世帯を考えているご家族。どちらも、今回の内容を参考にしていただき、原因から問題を知り、どのような間取りにすることで解決できるのかを考えていただきたいと思います。