戸建て住宅のベランダリフォームの注意点
戸建て住宅にお住まいなら、多くの建物にあるのがベランダ。ベランダは機能面が重視されることが多く、見た目や修繕という部分にあまり意識を向けてもらえません。
しかし、ご近所を散歩してもらうと気づかれると思いますが、おしゃれなお家やシンプルでスッキリとした印象のあるお家では、ベランダを有効活用しつつデザイン性にも気をつけておられることが多いです。
今回は、あなたのお家のベランダも、散歩している人から「おしゃれな家」と思ってもらえるようにリフォームするポイントをお話していきます。
Contents
1: 戸建て住宅のベランダをリフォームする理由
戸建て住宅のリフォームというと、真っ先に検討し手を付けようとされるのが
- 外壁
- 屋根
その次に屋内の設備である
- キッチン
- リビング
- 浴室
- トイレ
こういった箇所ではないでしょうか。
ここで思い出して頂きたいのですが、お家にベランダがある場合、キッチンやリビングや浴室やトイレと同じように「毎日」使っていると思います。毎日同じように使っているのに、検討されることもなく、仮に検討しても後回しになりがちなのがベランダという場所なのです。
(1)ベランダもメンテナンスしましょう
ベランダは毎日使う場所です。もし、ベランダはあるけれど全く使っていないというのなら、これはこれでベランダを別の用途で使えるようにリフォームすることが必要です。
毎日使っていても、使わなくてもベランダは外壁や屋根と同じように、日光や雨や風にさらされていることが多いため、時間の経過に従って劣化していきます。
そのため、床の部分が汚れてきたり、表からベランダを見ると色が剥げていたりして、お家の美観を損なう原因にもなっています。
また、かなり劣化が進むと、手すりの部分や床の部分がグラグラすることも考えられますので、安全面での不安も増えていきます。
このようにベランダはリフォーム対象として意識されにくい場所ですが、外壁や屋根と同じように住宅の美観に関わる部分ですし、暮らしの中での安全面や快適性にもつながる部分ですから、定期的なメンテナンスが必要なのは言うまでもありません。
(2)ベランダリフォームをするとうれしいこと
ベランダに手を入れてリフォームすると、次のようなうれしいことが起こります。
[1]美観がアップ
ベランダは外から見られている部分です。いくら外壁や屋根がキレイでも、ベランダが劣化したままですと、ちぐはぐな感じになり美しさを維持することが難しくなります。
しかし、リフォームすることで色や形を今のライフスタイルに合わせることが出来ると、一気にお家全体の雰囲気をおしゃれにすることができるでしょう。
[2]機能アップ
ベランダも年々使い勝手が良くなっています。例えば、メンテナンスしやすくなっているとか、安全面が向上しているとか。
床材をリフォームで変更すると、ベランダが屋外のリビングのように変身してくれることもあります。
少し広めのベランダへリフォームすれば、グランピングを楽しめる場所にもなります。
(3)ベランダリフォームの目的を考えよう
ベランダリフォームを考えるときですが、どういった目的で行うのかをはっきりさせておくと良いです。
例えば次のような目的があります。
- 床や手すりがボロボロになってきたのでメンテしたい
- 美観が損なわれているので美しくしたい
- 雨漏りしているので対策したい
- 洗濯物を干しやすくしたい
- リビングの延長として使いたい
- 趣味の園芸をベランダでも楽しみたい
今「何に困っていて」未来は「どうなっていてほしいのか」を業者と一緒に相談するのも良い選択です。
お困りごとと、未来のイメージによってリフォームする方法が変わります。そして、リフォームする方法が変わると、自ずと工期や費用も変わってきます。
2: ベランダリフォームの種類と費用相場
ベランダリフォームの場合、大きく分けると次の2つの方法があります。
- ベランダを増築する
- ベランダを修繕する
(1)ベランダに手を入れる3つの種類
まずは増築する場合についてお話していきます。
ベランダを増築する場合ですが、次の3つの種類があります。どれも一般的な方法なので、どのリフォーム業者さんへ相談されても話が通じます。
[1]二階にバルコニーを後付け
柱なしで後付けするタイプです。大型ではありませんが、一部屋の窓一つ分くらいのベランダが作れます。
費用相場は30万円前後です。
[2]二階に大型バルコニーを後付け
大型になると柱が必要になります。一部屋の窓二つ分くらいの幅を持ったベランダが作れます。
費用相場は60万円前後です。
[3]駐車場上をバルコニーに拡張
駐車場の屋根代わりにもなりますし、駐車スペースの上が全部ベランダになると、かなり広いスペースが確保できます。
二階でグランピングなどを楽しむこともできます。
費用相場は150万円前後です。
(2)メンテナンスの種類と費用相場
メンテナンス(修繕)にも種類があります。
[1]防水効果をアップ
雨漏りが起きるのを防ぐため、FRP防水やウレタン防水塗装を行うリフォームです。
FRP防水の費用相場は、広さにもよりますが一般的な戸建て住宅のベランダですと、15万円前後です。
ウレタン防水塗装の費用相場は、FRP防水よりも若干割安になることが多いです。同じ面積なら、10万円前後が相場です。
[2]手すりの塗り替え
美観と安全性をアップするリフォームです。
サビを取って塗装し直すのが一般的ですが、グラグラしているような場合は交換が必要な場合もあります。
交換の場合は、どのようなベランダを選ぶのかで費用相場が変わりますので、業者へ確認しておきましょう。
塗り替えだけなら、10万円前後で完了できることが多いです。
(3)機能アップの種類と費用相場
リフォームには機能アップもあります。
[1]サンルームを取り付けたい
雨の日も安心なサンルーム。ベランダをお持ちの家庭に人気です。
費用相場は、40万円~80万円と幅があります。どういった空間にしたいのかで選ぶべきサンルームが変わります。
[2]屋根だけ取り付けたい
サンルームは要らないけれど、屋根だけ取り付けたい。こういったご要望も多いです。
費用相場はサンルームより安くなり、20万円~30万円です。
屋根だけ取り付けられるときですが、ご予算に余裕があるなら「UVカット」機能のある屋根を選んでおきましょう。洗濯物への紫外線や、お部屋の日焼けにも効果が期待できます。
3: ベランダリフォームの注意点とは
ベランダリフォームを行うときの注意点をまとめておきました。
(1)風通し
風通しが良くないと湿気がたまりやすくなります。方角によって風通しが良くない場合は、風が通りやすいデザインのものを選びましょう。
(2)目隠し
ご近所からの視線が気になる場合、背が高すぎるベランダを選ぶと圧迫感が出すぎて快適ではなくなります。
こういった場合はフェードなどを利用して、風通しを良くしながら視線が遮れる工夫をしておくのがおすすめです。
(3)安全
ベランダが不審者の侵入経路にならないよう、隠れにくいような作りにしておきましょう。
また、小さなお子さんや高齢の方がお住まいの場合は、床がすべりにくいような材料を選ぶと安心です。
(4)材質
ウッドデッキはおしゃれなので、ベランダに選ばれやすい素材です。しかし、自然木のウッドデッキは劣化することがあるため、定期的なメンテナンスが必要になることを覚えておきましょう。
最近では人工木のウッドデッキもありますので、ライフスタイルに合わせて選んでいただきたいと思います。
(5)日射
ご近所への日射問題も考えておきましょう。ベランダを増設したりリフォームしたりすることで、ご近所へ今まで無かった「日陰」を作ってしまうことがあります。
日陰になって喜ばれることもありますが、日が当たらなくなって部屋が暗くなったというクレームも発生しやすいです。
設計段階で十分チェックしておきましょう。
4: まとめ
戸建て住宅のベランダは、定期的なメンテナンスを含むリフォームが必要です。放っておくと美観を損なう原因にもなりますし、安全面での不安も高くなります。
また、雨漏りなどを見逃していると住宅の躯体部分に影響が出てしまい、修繕箇所が増えてしまうこともゼロではありません。
ベランダも住宅の一部です。リフォームを考えてみてください。