リフォームを成功に導く優先順位の大切さとは?
50代を過ぎられた方にとって大切な住宅の修繕や改修は、これからの暮らしに大きく影響するため、失敗しないリフォームを計画する必要があります。
しかし、「リフォームして失敗した」「後悔している」「やるんじゃなかった」という方もいらっしゃるため、本当のところリフォームをするべきかどうか悩んでいる。そんな方もいらっしゃるようです。
実はこうした失敗や後悔は、リフォームの優先順位を決めないでスタートしたため、思っていたような結果に結びついてしない。こういうことが多いのです。
今回は、こうした失敗や後悔をしないためにも、リフォームを成功に導くカギでもある「優先順位」についてお話していきます。
Contents
1: リフォームで優先順位が大切なワケ
住宅のリフォームで大切なのは「優先順位」を最初に見極めておくことです。というのも、優先順位が明確で無いまま検討し工事を進めると、後から「もっとこうした方が」「こっちもやりたい」「そこは違う色で」というように、個人の好みや趣味が取り上げられてしまい、完成したときに
- 統一感が無い
- 別の家族にとっては使いづらい
- 全体でみると浮いた内装になった
というような、残念な結果になってしまうことがあります。そのため優先順位が大切なのですが、そのワケを次からお話させていただきます。
(1)依頼や見積もりがしやすくなる
リフォームにおける優先順位が決まっていると、複数のリフォーム業者へ見積もりを依頼しやすくなります。
というのも、複数業者から見積もりをもらう理由を考えて頂くと良いのですが、複数見積もりには「費用の比較」がもっとも大きなポイントになるからです。
もし、費用の比較をする元情報になる「リフォームの箇所や優先度」が明確でない。または見積もり依頼をした業者によって違う話をしていたとすると、同じ基準で費用や工事内容を比較することができません。
これでは複数業者から見積もりをもらう意味がありませんし、仮に費用が安かったところを選んだとすると、自分たちが考えていたのとは違うリフォーム工事が進んでしまうこともあり得ます。
リフォームには相応の費用がかかります。費用もけっして安い金額ではありません。また、リフォーム後に気に入らないからと、すぐにやりなおすことも難しいはずです。
こういったことがあるので、見積もりを正確に出してもらい、比較して選ぶことが大切なのです。そのためにも、リフォームにおける優先順位を決めておく必要があります。
(2)費用計画を立てやすくなる
優先順位が決まっていると、「最低限ここまではやりたい」という目標がはっきりしますので、最低限必要な費用もわかってきます。
そのため費用計画も立てやすくなり、貯金から払うのかローンを組むのかも判断しやすくなります。
さらに、予算よりも工事費用が少なかった場合、余裕のある金額で出来る「優先順位の高い箇所」を追加工事することもできるでしょう。
(3)後悔するリフォーム箇所が減る
優先順位を決めておくことで、
- 絶対にリフォームしたい部分
- 余裕があればしたい部分
- 今はどちらでも良い部分
それぞれ明確になりますので、余分な箇所のリフォームに手を付けて後悔することがなくなります。
リフォームの後悔や失敗は、「工事が足りなかった」というよりも「余分なところまで手を付けてしまった」ことで、中途半端な仕上がりになり後悔の原因になりやすいのです。
2: リフォームの箇所ってどれくらいあるの?
それでは戸建て住宅のリフォームを考えたとき、リフォーム箇所になる部分を見ておきましょう。
普段から目に見えている部分から、目に見えないけれど劣化しているので修繕しないといけない部分まであります。
(1)目に見える部分
- 外壁
- 屋根
- キッチン
- トイレ
- 浴室
- 洗面所
- 玄関
- リビング
- ダイニング
他にも、使わなくなった子供部屋や、年齢と共に使いづらくなった和室、床や壁などもあります。
目に見える部分のリフォーム箇所は、普段から少しずつ不満が出ている場所なので、比較的思いつきやすい部分です。
(2)目に見えない部分
- 床下
- 柱
- 耐震性能
- 耐熱性能
- 収納
普段から意識して見ない箇所や、専門家でないと判断できない箇所です。こうした部分のリフォームを気づけることは難しいものですから、住宅の診断を受けておかれることをおすすめします。
特に耐震性能や耐熱性能などは、家の構造と最新設備の組み合わせによって、効果が大きく変わりますので信頼できる業者に相談いただきたい部分です。
3: 箇所別リフォームタイミングとは
リフォームのタイミングは、住宅の構造や使われ方、立地条件によって違いが発生します。そのため「必ず○○年で交換しましょう」というようなことは申し上げられないのが現実です。
しかし、一般的な状況を元に言われているタイミングがありますので、ここでお伝えさせて頂きます。
(1)キッチン設備
15年~20年くらいで設備の見直しをすると安心です。また、傷んできているため交換することで気持ちも明るくなります。
(2)浴室
最近のお家ではユニット式のバスが多いです。そのため交換ということになります。タイミングとしては20年~30年くらいが目安になっています。
(3)外壁塗装や屋根塗装
使われている塗料や施工技術によって差があります。一般的には10年~15年が修繕の目安と言われています。
(4)床や天井の張り替え
フローリングや天井、壁の張り替えは10年前後がタイミングです。張り替えだけではなく、下地部分までの修繕は15年~25年が目安です。
(5)水まわり
水まわりのリフォームは使い方によって大きく変わります。丁寧にメンテナンスをしながら使って頂いている場合ですと20年くらいは問題なく使えます。
しかし、メンテナンスを怠っていると10年くらいでサビが出てしまい劣化を進めてしまうこともあります。
水まわりに関しては、なかなかご自身で状況を判断することができません。水栓部分だけなら目で見てチェックできますが、水が流れていく部分や給水設備となると難しいのが現実です。
耐震性能や耐熱性能、床下のチェックなどと一緒に、専門業者に診断してもらうと安心できます。
4: リフォームを成功に導く優先順位の決め方
リフォームを成功に導く優先順位の決め方をお話します。
(1)自然への対応
優先順位が最も高いのが設備の劣化。
特に外壁や屋根など、風雨にさらされている部分の優先順位が高くなります。
次に、耐震性能などの床下や柱の部分。
この順番でチェックしてみてください。
(2)生活のし難さ
生活をする上で使いづらくなった箇所を優先順位の3番目にしましょう。
- キッチン
- 浴室
- トイレ
こういった箇所が候補の上位に来ると思います。次に汚れや劣化が気になる内装です。
つづいて玄関まわりやリビングなどゲストが目にする部分をチェックしましょう。
(3)まずは外から
リフォームで大切なのは、住宅そのものを健康な状態に維持するということ。その上で使い勝手や美観にフォーカスしていくのが賢い優先順位の付け方となります。
こういう視点で考えていただくと、風にさらされている家の外側からチェックし、内側へと優先順位を付けていただくことで、無駄の無いリフォームを行いやすくなります。
(4)築30年以上の住宅は地震対策
もし住宅が築30年以上経過しているのなら、新基準の地震対策が施されていない可能性があります。そのため、今後強い地震が発生したとき、リスクが高くなってしまうため、できるだけ早めに対策しておくことが必要です。
これからも安全に暮らせる空間となるよう、地震対策がまだの方は住宅診断を行うところから始めてみてください。
5: まとめ
リフォームは優先順位をつけておくと進めやすくなります。また費用計画を立てやすくなり、失敗する確率を減らすこともできます。
リフォームを検討されているのなら、ぜひ優先順位を付けて話を進めてください。かなり合理的で自慢できるリフォームになるはずです。