60代のキッチンリフォーム入門
子育ても仕事も一段落。自分たちだけのライフスタイルへと大きく変化するのが60代。
ちょうど同じ頃、新築で購入された住宅には、あちこち不具合が出てきているのではありませんか?
60代にとって、これからの暮らしを豊かにするためには、毎日使う場所からリフォームして行くのがおすすめです。
そこで今回は、60代の方向けにキッチンリフォームのお話をさせていただきます。
Contents
1: 60代リフォームのきっかけとは?
60代の方がリフォームしようと考えられるきっかけには、次の5つが多いものです。
(1)お子さんの独立
子育てが終わり、お子さんが完全に独立される。そういうタイミングでリフォームを考えはじめる方がいらっしゃいます。
子供部屋をリフォームして趣味の部屋にされる方もいらっしゃいますし、キッチンなどは家族構成が変化するため、これまでとは違った空間にすることで楽しさを増やす方もいらっしゃいます。
(2)親御さんの介護
親御さんの介護が必要になる方も増えてくるタイミングです。ご家庭によっては介護が必要になったときから同居する必要が出てくることもあります。
こうしたケースでは、お住まいの自宅をリフォームして介護がしやすいようにしておきたいところ。
リフォームを考えるタイミングのひとつとして増えてきています。
(3)実家の相続
実家を相続する。こういうことが増えるのも60代。
相続した実家ですが、売却するにしても、自分たちのセカンドハウスとして活用するとしても、リフォームは必要になってきます。
投資という視点に立って、賃貸物件にして収入を考える人も最近は増えてきています。
どちらにしても、実家の相続はリフォームを考えるきっかけになります。
(4)ライフスタイルの変化
60代になると大きく変化するのがライフスタイル。
例えば、ペットを飼い始めたという方などは、これまでとは大きくライフスタイルが変化します。
新しい家族を迎えるタイミングもリフォームを考えるきっかけになります。
(5)老後の快適な暮らしを見据えて
70代、80代を見据えて老後を考える。これはリフォームを考えるきっかけとして、従来から多いケースです。
カラダが自由に動くうちに、老後のことを考えてリフォームしておきたい。こういった人に向いています。
2: 60代リフォームのポイント
60代リフォームには、30代、40代とは違ったポイントがあります。
(1)暮らしを豊かに
30代、40代と大きく違うのが「子育て」を考えなくてもいいことです。それよりも、自分たちが豊かに暮らせることを優先してください。
例えば、若い頃からやってみたかった「料理教室」をはじめる。自宅で遠慮無くギターを引ける防音部屋を作る。
自分たちが何をすれば豊かになれるのかを考えてください。
(2)好きなモノを選ぶ
遠慮する必要はありません。自分たちの好きなモノを選びましょう。
インテリアをはじめ、キッチンなどは毎日使う場所ですから、憧れの空間になるよう検討してください。
同じようなモノを選ぶときには、ワンランク上の上品なモノを選びましょう。長く使うことを考えると上質なものは飽きが来ません。
(3)素材にこだわる
好きなモノと近いですが、こだわってほしいのが素材です。
素材によって暮らしの心地よさが変わります。お家で過ごす時間が増えるのも60代の特徴ですから、毎日触れても楽しめる素材がおすすめです。
趣のある大理石、美しい木目のウォールナット、無垢材のフローリング、こういった素材は確かに高いものですが、気持ちを豊かにしてくれます。
(4)バリアフリーへの関心
60代の方の大半は「今はまだ必要ない」という感じでしょう。
しかし、70代になると少しずつ必要になってきます。というよりも、バリアフリー化されていると暮らしが楽になります。
手すりだけでも「さりげなく」取り付けておくと安心です。
(5)温度の変化が少ないのがおすすめ
60代になるとカラダに直接影響してくるのが気温の変化。
暑い・寒いの幅が広がると若いときのように対応しづらいため、カラダが思っている以上に辛くなってきます。
しかし、こういうことはわかっていると対処できます。できるだけ家の中の温度変化を少なくするように工夫しましょう。
キッチンやリビングも含めて、広い範囲で温度が一定になるようリフォームを検討することができます。
3: 60代だからこそスタートはキッチンリフォーム
リフォームと言っても、外壁や屋根からはじまり、トイレやキッチン、浴室など様々な場所で行えます。
ここで60代の方にとってリフォームをスタートするとき一番に考えてほしいのがキッチン。
キッチンは毎日使います。また、意外に滞在している時間が他の部屋よりも長くなる場所です。
ということは、キッチンを快適な空間にリフォームしておくだけで、かなり豊かな時間を過ごせるようになるということです。
(1)使い勝手の向上
キッチンリフォームでは、使い勝手の向上を目指してください。流行のスタイルではなく、ご自身が使いやすいかどうかが決め手になります。
例えば、キッチン収納は観音開きが良いのか引き出しが良いのか。
「かがむ」という動作が伴う収納ですから、カラダの具合も一緒に考えてみてください。
(2)バリアフリー
キッチンは高齢になっても毎日使います。そのため、リフォームするタイミングでバリアフリーも検討しておきましょう。
後からバリアフリーをするよりも、一緒にしておく方がキレイにまとまります。また費用に関しても2回リフォームするより安くなります。
(3)車椅子対応
できればキッチンは車椅子で使えるように考えておきましょう。
キッチン内を移動する動線の幅やキッチンの高さなど、車椅子でも使えるようになっていると、後10年経過したときに「よかったな」と感じられます。
4: リフォームに重要な視点と考え方
キッチンリフォームを検討されるとき、次の視点と考え方を取り入れてください。無駄なリフォームをすることがなくなります。
(1)今後同居する予定があるのかどうか
今後、お子さんやお孫さんと同居する予定があるのかどうか。同居の予定があるのなら、二世帯住宅へのリフォームも一緒に検討しておきましょう。
(2)老後は自分たちだけで暮らすのか
お子さんやお孫さんと同居する予定はないという場合は、自分たちだけが快適に暮らせることを第一に考えてください。
「誰かのために」ではなく「自分たちのために」リフォームすることが大切です。
(3)リフォーム業者の選び方
リフォーム業者の選び方でリフォームがうまく進むかどうかが決まります。
まず、リフォーム業者の事例を見てください。あなたが考えている理想像と事例が近いでしょうか。
リフォーム業者にも得手不得手があります。得意としているスタイルがあなたの理想と近いと成功する率が高くなります。
いくら値段が安くても、あなたの理想と違う事例しかもっていない業者には、依頼しない方がいいです。
5: まとめ
60代になると家族構成やライフスタイルが変化します。そのタイミングでリフォームをされる方が多いのですが、まずは毎日使って滞在時間が比較的長くなるキッチンからリフォームを考えましょう。
60代になると家の中心がリビングではなくキッチンに変化しているところも増えています。人が集まる場所からリフォームする。これが暮らしの変化に対応し、これから快適に暮らせる秘訣だと言えるでしょう。