後付けで床暖房にしたい!種類や方法を紹介します
一度体験すると、無かったときに戻れない。そんなアイテムの一つに「床暖房」があります。
しかし、まだまだ新築の時に床暖房を設置されるご家庭は多くありません。また、少し前に新築を購入されたお宅ですと、床暖房が普及していなかったため設置されていないところもあります。
今回は、今はまだ床暖房はないけれど、宿泊先などで体験したことで「自宅にもほしい」と感じた方に向けて、後付け床暖房の種類や方法について紹介していきます。
Contents
1: 床暖房の魅力
床暖房は大変魅力的です。自宅に「ある」のと「ない」のとでは、暮らしの快適度が変わります。
(1)床暖房の特徴
床暖房とは字のとおり、床下に熱源を設置することで、床から伝わってくる熱でお部屋を暖める暖房器具です。
お部屋全体を「じんわり」と暖めてくれますし、なんといっても床に「ゴロン」と寝転んだときの快適さは、言葉だけでは表現できません。
そして、ご自宅にネコちゃんがいるのなら、大変喜んでもらえることは間違いありません。住宅に住む人のためにも快適な暖房器具ですが、ネコちゃんにも大変魅力的な暖房器具です。
(2)床暖房の魅力
冬になると膝から下が冷たくてたまらない。エアコンをつけても頭ばかり暖まって、下半身は寒いまま。このような経験をされた方も多いはず。
床暖房の魅力は、こうした「足元」「下半身」の冷えを、足の裏からじんわり暖めてくれるところにあります。
また、床からの暖房によってお部屋全体も、やさしい暖かさに包まれます。
さらに、座っていても、立っていても、寝転んでいても、とにかく身体の一部が床に触れていればホカホカ。
寒い日でも暖かさを実感しやすい魅力的な暖房器具だと言えます。
2: 床暖房は後付けできます!
床暖房は新築工事のときしか設置できないということはありません。後付けで設置することも可能です。
ということは、床のリフォームと考えていただいて問題ありません。
(1)床暖房2つの種類
床暖房には2つの種類があります。
[1]電気式床暖房
ひとつは、比較的費用負担が少ないと言われている「電気式床暖房」です。
電気式なので、床下に電熱線が組み込まれた専用パネルを敷くことで、床部分を暖かくしてくれます。
電気を取れれば床下に専用パネルを並べるだけなので、工事がシンプルで簡単。ほとんどのご家庭ですと1日の工事で完了できます。
[2]温水式床暖房
電気式に対して、もう一つ方法があります。温水式床暖房です。
床下に温水を流すパイプを設置し、床を暖める方法です。
電気式床暖房と比べると、温水を作る装置の設置や、床下に温水を流すパイプの設置工事が必要になりますので、お部屋の構造によっては工事に2~3日必要なこともあります。
電気式床暖房と比較すると、温水式床暖房は工事の手間がかかりますし、温水を作る装置が必要になりますので、初期導入時のコストは高くなります。
しかし、床暖房を使い始めてから必要になるランニングコストはというと、電気代よりも温水を作って流す方が安くなる傾向にあります。
どうしても電気の方が暖めるときにパワーを使いますし、消費率も高くなるためですね。これは一般的な暖房器具であるヒーターも電気式の方が購入価格は安いですがランニングコストが掛かってしまうのと同じです。
(2)施工方法も2つある
床暖房の施工には2つの種類があります。
ひとつは「直張り」と呼ばれる方法です。直張りは既存の床の上に床暖房を設置します。直張りのメリットは工事の手間が少ないため、施工費用を抑えることができます。反対にデメリットは、直張りした分、既存の床よりも高くなってしまうことです。
お部屋の作りによっては、直張りした分、床に段差が生まれることがあります。
2つ目の方法は「張り替え」と呼ばれる方法です。張り替えは既存の床を剥がした上、床暖房を設置します。そして、床暖房の上に床を被せるようにします。
直張りと比較すると工事に一手間掛かっています。そのため施工費用だけを見ると、直張りよりも高くなります。
しかし、直張りで発生していたデメリットである「段差」は発生しません。
段差は気にしないので、できるだけ安く床暖房を設置したい方は「直張り」。ご家族の中に段差があると生活がしづらい方がいらっしゃる場合は「張り替え」が理想的です。
リフォーム専門業者として考えると、これから10年単位で使っていかれる計画なら、床全体の雰囲気も同時に変えることができますから「張り替え」をおすすめします。
(3)施工が難しいところ
賃貸ではない戸建て住宅の場合ですと、施工に制限はほとんどありません。
施工が難しいのは、賃貸物件やマンションです。管理規約や契約内容によっては直張りもNGというケースがあります。
床暖房を検討されている方で、賃貸物件にお住まいの方や、マンションにお住まいの方は規約を確認しておきましょう。
3: 床暖房のメリットとデメリット
床暖房のメリットとデメリットをまとめておきます。
(1)メリット
[1]足の冷え防止
床暖房の最大のメリットは、足元の冷えをかなり改善できることです。エアコンやヒーターとは違い、足元からじんわり暖めてくれますから、冷え性の方も快適です。
また、床暖房は床全体でお部屋を暖めますので、暑くなりすぎることもありません。
[2]メンテナンス頻度が低い
床暖房のメンテナンスは、10年に一度くらいが推奨されています。ということは、外壁や屋根と同じくらいのサイクルでメンテナンスするだけでOK。
普段使っている分には手間がかかりません。
[3]空気が乾燥しにくい
エアコンやヒーターが苦手という方に多い悩みです。
この悩み、床暖房ならかなり改善できます。そして、空気が乾燥しにくいということは、空気を汚しにくいということでもありますから、健康へ影響が気になる方にもおすすめです。
(2)デメリット
[1]初期コスト
床暖房は初期コストがかかります。長い目で見て検討していただく必要があります。
[2]快適温度
快適な温度に暖まるまで、少し時間がかかります。エアコンやヒーター、ストーブのように、すぐに暖まるのは難しいです。
普及している暖房器具ですと「オイルヒーター」の暖まる速度に近いです。お部屋全体をほんのり暖かくするためには、1時間くらい必要と考えておきましょう。
4: 床暖房を後付けするときの注意点
床暖房を後付けするとき、次の点に注意しましょう。
(1)電気容量
電気式床暖房を選ばれる場合、お住まいの電気容量が不足していないか確認してください。電気容量が不足する場合は、先に容量を増やす工事が必要になります。
(2)設置面積
床面積の60%~70%を床暖房にするのが理想と言われています。
(3)熱源の設置場所
温水式床暖房の場合、温水を作る(熱源です)を屋外に設置しなくてはいけません。設置場所があるかどうかも確認を忘れずに。
設置場所が難しい場合は、リフォーム業者へ相談してください。過去の経験から適切な場所を見つけてくれます。
5: 気になる費用相場とは
とても気になる費用について見ておきましょう。
(1)電気式の場合
電気式床暖房で「直張り」した場合、一般的な6畳ですと35万円程度です。
「張り替え」なら、同じ6畳で45万円程度。
(2)温水式の場合
温水式床暖房を「直張り」すると、6畳で50万円程度。「張り替え」なら60万円程度。
これくらいが相場です。
長く使っていかれるのなら、温水式の張り替えが理想的です。これなら高齢になられたときも、安心快適に活用することができます。
6: まとめ
床暖房はあると大変快適です。寒い冬でも足元から暖まる感覚は、一度経験すると癖になります。
足が冷たい。下半身が寒くてむくむ。こうした悩みをお持ちの方なら、特に床暖房をおすすめします。少しでも快適に過ごせるリフォームで、生活の満足度をアップさせていきましょう。