リフォーム費用を抑えるポイントとコストの話
リフォームを検討される方が増えています。そこで皆さん気になるのが、どうすればリフォーム費用を抑えることができるのか。
コストありきでリフォームを考えてしまうと満足のいく結果になりませんが、だからといってコスト削減を考えないというのはもったいない。
そこで今回は、リフォーム工事業者としての経験から、リフォーム費用を抑えるポイントとコストの話をさせていただきます。
Contents
1: リフォーム費用は2つの費用で出来ている
リフォーム費用に関してですが、大きく分けると次の2つで出来ています。
- 工事費用
- 材料費用
それぞれについてお話していきます。
(1)工事費用
工事費用とは、リフォーム工事を実際に行う職人さんの人件費と考えていただくとわかりやすいです。
ほとんど場合、職人さんの人件費は「1人1日○○円」という風に決まっていることが多いものです。
そのため、例えば人件費が1人1日10000円だったとすると、リフォーム工事に必要な人数が3名、工事日数が7日間の場合、以下のような計算になります。
10000円 × 3名 × 7日間 = 21万円
また、工事の範囲や難易度によって人件費は変わりますので、知り合いのお家と同じようなリフォームだったとしても、お家の間取りや構造によって変化します。
さらに、リフォームの内容によっては機械を使用する必要がある場合(間取り変更で解体するとか)、機械の使用費用も含まれてくることがあります。
(2)材料費用
こちらは建材や設備にかかる費用です。大変わかりやすい費用なので、皆さん理解しやすいと思います。
例えば、ホームセンターのリフォームコーナーへ行くと、洗面台や便座などが陳列されています。そして、価格も一緒に提示されています。この価格が材料費用になります。
材料費用は、ひとつだけを見るとそんなに高く感じないですが、例えば床材などは1つで床全体をリフォームできるわけではありません。そのため1つの単価ではなく床全体をリフォームした場合、どれくらいの数が必要になるのか忘れずに考えることが大切です。
2: リフォーム費用が変化するポイント3つ
似たようなリフォームなのに、リフォーム費用が変化するポイントは次の3つです。
(1)材料と設備のグレード
どのような材料を使うのか。どのような設備に入れ換えるのか。
材料や設備にはグレードが設定されています。同じように見える材料や設備でも、ちょっとした違いで費用が変化します。
例えば床材ですとクロスか木材かで変わります。クロスを選んでも、クロスの中にグレードがありますので、またまた価格が変わります。
ただ、材料や設備に関しての価格は、お客様が自分で選べる(コントロールできる)部分ですので、納得のいくグレードを選んでいただければ問題ありません。
(2)間取りの変更度合い
間取りを大きく変更する場合、
- 壁をどうするか
- 扉をどうするか
- 給排水をどうするか
- 換気をどうするか
こういった理由で費用が大きく変わってきます。特に水回りに関してですが、別の場所へ移動すると、給排水設備の工事をやりなおす必要が出てきますので工事費用が高くなってしまいます。
- キッチン
- 浴室
- トイレ
こういう部分は、できるだけ場所を変えない方が費用を抑えることができるということです。
(3)お家の状態
お家の骨格部分(構造部分)や、床下の状態に不具合が見つかると、修繕してからでないとリフォーム工事ができないことがあります。
工事内容もリフォームだけではなく、修繕を同時に行うことになり費用は増加します。
このような理由があり、お知り合いのお家と似たようなリフォームをしようとしたのに、費用感が全く違ったということが起こります。
住宅はオーダーメイドで作られています。仮に似たようなお家や間取りだったとしても、建築されている地域の気候条件が違いますので、同じように劣化していません。
だからこそ、リフォームを行う場合はインターネットで見積もりだけするのは危険なのです。
3: リフォーム費用相場を調べる方法
適切なリフォーム費用を調べる方法をお話します。
(1)希望するリフォームを決める
適切なリフォーム費用を調べるためには、あなたが希望しているリフォーム内容を決めないといけません。
リフォーム内容が曖昧なまま費用相場を見つけようとしても、基準となるものがありませんので高いのか安いのか、適正なのかを判断できなくなります。
(2)同じ希望を伝える
リフォーム業者へ費用相場を教えてもらうときですが、希望しているリフォーム内容を変えずに、いつでも同じ内容を伝えるようにしてください。
リフォームは希望される内容が少し違うだけで工事費用に影響します。そうすると、費用感が違ってきますので、適切に比較することが難しくなります。
これ、よくあるケースです。気をつけてください。
(3)複数業者へ見積もり依頼
希望するリフォームの内容が決まり、同じ希望を伝えることを意識して複数業者へ見積もり依頼をしてください。
そうすると、小さな費用の違いはありますが、おおむね同じくらいの相場になっているはずです。
ここで重要なのは、同じくらいの相場から大きく外れた見積もりです。安すぎるのなら「なぜ安くできるのか」を聞きましょう。高すぎるのなら「どういったグレードや工事内容を想定しているのか」を聞きましょう。
大きく外れているということは、それなりに理由があります。理由が無いまま安すぎる、高すぎることはありません。
(4)現地調査は必須
見積もりをもらう前、もらってから。どちらでも構いませんが契約書を交わす前には、必ず現地調査をしてもらってください。
誠実に仕事をされている業者さんですと、お客様が言わなくても現地調査をさせてほしいと申し出があります。
というのも現地調査をしないと、正しい見積もりを作れないからです。お客様のお話をお伺いし、概算の見積もりは作れても契約いただくための正式な見積もりは作れません。
もし、正式な見積もりを現地調査なしで作る業者さんがあれば要注意です。
4: 2つのコストも考えて
リフォームの費用を考えるとき、2つのコストを考えてください。
(1)リフォーム工事に必要なコスト
ひとつは、単純にリフォームにかかる費用です。これはわかりやすいですね。
(2)リフォーム後の維持コスト
2つめが難しいコストです。
リフォームを行ったことで、今後メンテナンスなどに必要となる維持コスト。
いくら1つめのリフォーム費用が安くても、維持コストが高いのなら定期的な出費が苦しくなります。
- 外壁
- 屋根
- 空調
こうした部分のリフォームは、定期的なメンテナンスが必要になります。維持コストも合わせて見積もり段階で教えてもらっておく慎重さが必要です。
5: リフォーム費用を抑えるための具体策
費用を抑える具体策をお話します。
(1)優先順位を決める
リフォームしたい場所はいろいろとあるはず。その中で優先順位を決めてください。
優先順位の高い部分に費用をかけ、優先順位の低い部分は簡単な修繕で済ませる方法もあります。
(2)要望を明確にする
リフォームの要望を明確にすることで、必要なだけの費用をかけることができます。
要望が曖昧ですと、結局は「あれもこれも」となってしまい、最終的に費用が嵩みます。
(3)コスト削減できる場所を教えてもらう
コスト削減できる場所を業者に教えてもらいましょう。
建材や設備のグレードは、教えてもらうことで費用を抑えやすくなります。
(4)可能な部分は自分で施工
もし自分で施工できる場所があり、業者さんがOKと言ってくれるなら、DIYで対応することで費用を抑えることができます。
(5)グレードを意識することは重要
リフォーム費用を抑えるとき、一番に考えて欲しいのがグレードです。
来客の目につく場所ならグレード高めも良いですね。しかし、来客の目につくところでもなく、どちらかというと機能面重視(使い勝手重視)の場所ならグレードを下げても問題ありません。
あれもこれも高いグレードで揃えたくなりますが(気持ちはわかります)、グレードにも優先順位をつけていただくと、かなり費用を抑えやすくなります。
6: まとめ
リフォーム費用を抑える方法やポイントについてお話しました。
今回の内容を参考にして、複数業者へ「同じリフォームの要望」を伝えてください。そうすることで、費用の相場がわかりますし、比較して選びやすくなります。
また、相場から大きく外れた業者さんには、必ず理由を聞いてください。理由が曖昧だったり、はぐらかされたりした場合は選ばないのが正解です。