タンクレストイレへリフォームするなら知っておきたい成功ポイントを解説
トイレリフォームの機会にタンクレストイレを検討される方も多いのではないでしょうか。
従来のタンク付きトイレと比較することで、メリットやデメリットを理解しておきましょう。また、リフォーム費用の相場や、タンクレストイレへリフォームするとき注意しておきたいポイントについても解説していきます。
Contents
1: タンクレストイレとは?
タンクレストイレとは、どういったトイレなのか。
おしゃれなカフェのトイレに設置されていることが増えたタンクレストイレ。パッと見たときからスッキリとした印象を誰もが感じることでしょう。
タンクレストイレとは、この印象を決定づけているポイントである、従来トイレに付いていた「ロータンク」または「トイレ後ろ側のタンク」がないトイレのことです。
従来のタンク付きトイレと大きく仕組みが違うところは、従来のトイレは水道からの水を、一度タンクへ溜めてから流すようになっていましたが、タンクレストイレは水道と直結して水を流す仕組みになっています。
このため、便座以外に何もありませんから、トイレの空間がスッキリして見えているのです。
また、タンクレストイレは従来のトイレとは違い、かなり高機能になっています。
- 暖房便座
- 温水洗浄
- 節水機能
あって困ることなんて絶対にない、そんな機能が揃っています。
2: タンクレストイレとタンク付きトイレのメリットデメリット
それでは、タンクレストイレとタンク付きトイレのメリット・デメリットを比較して見ていきましょう。
(1)タンクレストイレのメリットデメリット
まずはタンクレストイレについてです。
■メリット
[1]スッキリ室内
タンクレストイレは先ほどご説明しましたように、水を溜めるタンクがありません。そのため、タンクの分の空間が必要なくなります。ということは、トイレの室内が広くなるわけです。
一般的なタンクは、奥行き10cm、高さ30cm前後はありますので、この分の空間がなくなるのです。イメージするだけで広さがわかると思います。
[2]掃除がラク
タンクレストイレは、トイレだけです。そのため、凹凸がほとんどありませんから、お掃除がラクになります。
特に最近のタンクレストイレは平面と直線を使ったデザインになっているため、ホコリや汚れが溜まりにくい。
タンク付きトイレと比較すると、拭き掃除の面倒さがありません。
また、タンク下部分は拭き掃除がしにくかったところですが、タンクレストイレならラクに掃除できます。
[3]水の流れ
タンクレストイレの水は水道直結。そのため、連続して水を流すことができます。タンク付きのように、タンクへ水が溜まるのを待ってから流す面倒がありません。
[4]オシャレ
なんと言ってもおしゃれです。スッキリとしたデザイン。余裕のある空間。さらに清潔感も高まります。
来客があっても、自信を持ってトイレを使ってもらえます。
■デメリット
[1]手洗いが必要
タンクレストイレには、従来のタンク付きのようにタンクがありません。そのため、タンクについていた「手洗い」もありません。
タンクレストイレには、手洗いが別に必要となります。実際には手洗いカウンターを設置されることが多いです。
[2]設置できない場合も
水道直結になるため、水圧が低い場合にはタンクレストイレへ交換できないケースもあります。
どれくらいの水圧が必要になるのかは、機種によって変わってきます。事前に自宅で使えるのかどうか確かめておきましょう。
[3]停電時の対策
タンクレストイレは電気を使って水を流すようになっています。万が一のために手動で流せる対策は施されていますが、停電時はバケツへ水を汲んでおいて流す必要が出てきます。
[4]一式交換
タンクレストイレは標準装備で高機能。そのため、ウォシュレット部分だけ交換したいといっても出来ないことが多いです。
要するに「便座だけ交換」というのが難しいんですね。仮に便座が故障した場合は、メーカーのメンテナンスが必要になります。
(2)タンク付きトイレのメリットデメリット
つづいてタンク付きトイレのメリット・デメリットを見ていきましょう。
■メリット
[1]手洗いがある
タンクの部分に手洗いが付いています。そのため、別途手洗い設備を整える必要がありません。
これは費用面に影響してくる部分です。
[2]ほとんど設置可能
水道直結ではありませんので、ほとんどの場所へ設置可能なのがタンク付きトイレのメリットです。
少しくらい水圧が低くても、タンクへ水を溜めてから流しますので問題がありません。二階や三階にトイレを設置される場合にも選びやすいトイレです。
[3]価格が安い
タンクレストイレと比較すると、タンク付きトイレは安いのが特徴。
さらに、タンク付きトイレの中でも、グレードや機能を下げていけば、どんどんと購入費用も下がっていきます。
選択できるバリエーションが広いのも、タンク付きトイレのメリットだと言えます。
[4]停電でも安心
タンク付きトイレの水の流れは電気制御していません。そのため停電しても使えます。
■デメリット
[1]掃除が手間
タンク周辺の掃除が手間です。凸凹が多いので拭き掃除しにくいですし、タンクの下や奥の掃除は面倒です。
どうしても凸凹が多いとホコリが溜まりやすくなります。
[2]場所が必要
タンクがある分、空間が余計に必要です。そのためトイレ室内が狭く感じることもあります。
[3]連続で流せない
水はタンクに溜まってから流します。そのため、連続して流すことはできません。1分くらいは水が溜まるのを待っている必要があります。
[4]オシャレさが低い
これはデザイン的な部分なので好みもあります。ただ、タンクレストイレと写真を並べて見ると、オシャレさが違うことは否めません。
3: タンクレストイレのリフォーム費用相場
タンクレストイレにリフォームした場合の費用相場です。
(1)価格帯
タンク付きトイレは、安いものですと3万円台から購入可能です。いっぽう、タンクレストイレは、安くても7万円台から。
トイレ本体だけの費用を比べても、5万円ほどの差があります。さらに、トイレのリフォームには工事費用が必要になります。
(2)設置工事費
リフォームする場合の設置工事費用を見てみましょう。洋式トイレからリフォームした場合の一例を紹介します。
- 既存トイレの撤去・解体→3万円~4万円
- タンクレストイレの設置→7万円台
- 配管工事費用→3万円前後
- 電気工事費用→2万円弱
ここまでを合計すると、約15万円です。
さらに和式トイレからリフォームする場合ですと、
- 段差解消工事費用→6万円~7万円
- 壁工事費用→6万円前後
12万円ほどプラスになりますので、27万円が最安値の相場となります。
もうひとつ、手洗いカウンターを設置した場合
- 手洗いカウンターの部材費用→8万円前後
- 設置費用→4万円前後
- 配管工事費用→2万円前後
ということで、14万円前後が必要になります。
仮に洋式トイレからタンクレストイレへリフォームしたとすると
約15万円+約14万円=29万円が相場になります。
(3)交換部分によっても変わる
もうひとつ費用に関して知っておいてほしいのが、トイレに取り付ける部品です。
例えば、タオル掛け、ロールホルダーなどです。
こういった部品も一緒に依頼すると費用が増えていきます。
4: タンクレストイレへ変えるときの注意点
タンクレストイレへリフォームするときには、以下の注意点を確認しておきましょう。
(1)水圧条件
まずは水圧です。水道直結なので水圧が低いと使えません。
(2)排水方法
トイレの排水方法には、壁排水と床排水の2つがあります。タンクレストイレによっては制限を受けることもあるので確認しておきましょう。
(3)手洗い費用
手洗いがタンクレストイレには付いていません。そのため別途設置する費用が出てきます。
手洗い設置の費用も予算に入れておきましょう。
(4)機能性
タンクレストイレは多機能です。そのため、必要な機能を洗い出し、過剰な機能を持ったトイレを選ばないようにしましょう。
というのも多機能になればなるほど、費用が高くなっていくからです。
(5)ショールームで確認
実物を見ていただきたいです。メーカーショールームを活用するのがおすすめです。ショールームならセールスされることもありません。
また、実物を見られますので、気になる細かな部分を目視でチェックできます。
5: まとめ
タンクレストイレへリフォームを検討されているのなら、メリットとデメリットを知っておいてください。
特に、手洗いが別途必要であること。停電時の対応が必要なこと。水圧条件。この3つがキモになってきます。