二世帯同居ならリフォームしよう!快適に暮らせる家づくりのポイント
親世帯が住んでいる実家。古くなってきたのでリフォームが必要になったタイミングに考えてみたいことはというと
- これからも安全安心に暮らせる空間にしたい
- 万が一のときはすぐに家族からのサポートがほしい
- できればリフォーム費用の負担を減らしたい
このように考えられる方がほとんどでしょう。また、子供世帯としても、親世帯の健康や自分たちのこれからのライフプランを考えたとき、ゼロから戸建て住宅を購入するよりも、実家をリフォームして「二世帯同居」した方が何かと良いのではないか。そんな風に考えられる方もいらっしゃいます。
そこで今回は、リフォームの中でも専門的な知識と経験が必要な「二世帯同居」へのリフォームについてお話していきます。
Contents
1: 同居するならリフォームした方が暮らしやすくなる
もし二世帯同居を真剣に考えておられるのなら、次にお話するリフォームポイントを忘れず検討いただくことで、新しい暮らしが始まってから暮らしやすくなります。
(1)親世帯も安心「バリアフリー」
親世帯も子供世帯も気になるのが「高齢化による動きづらさ」ではないでしょうか。人は動きやすい環境に居ると、自分の足で立ったり座ったり、移動したりしますので足腰が急激に弱まることも減っていきます。
しかし、家の中が動きづらい環境になっていると、ついつい寝たままになる時間が増えてしまい、筋肉の低下によって歩きづらくなってしまうこともあります。
また、家の中で歩くとき「ヒヤッ」とする瞬間が多いと、これも歩かなくなる原因になりやすいものです。
そこで、二世帯同居では高齢化する親世帯の安全にも配慮し「バリアフリー対策」を行っておくことが大切です。
- 段差の解消
- 手すりの設置
- すべりにくい床材への変更
- 引き戸への変更
- トイレや浴室スペースの拡張
車椅子での移動も考慮するなら、廊下やドアの幅を少し広めにリフォームしておくのも正解です。
親世帯が家の中で事故に遭遇しないための対策を考えておく。これが非常に大切なポイントです。
(2)ヒートショック対策で家族も安全
比較的高齢者に多いのですが、若い方も油断してはいけません。
冬場の浴室に多い事故ですが、暖かい部屋から寒い浴室に入ると、急激な温度変化によって「ヒートショック」を起こしてしまうこともあります。
ヒートショック対策としては、予め浴室など冷え切る部屋を暖める設備を設置するのがベスト。
浴室暖房などの設置をリフォームの中では検討しておきましょう。
(3)この機会に耐震・断熱性能を見直そう
築30年以上経過している住宅ですと、耐震や耐熱性能に不安があることも多いです。
特に耐震対策に関しては、地震が発生しやすい日本では最低限の対策だけでも行っておきたいところ。
また耐熱対策は、省エネにもなりますので、これからの光熱費にも影響してきます。
これらの対策が必要かどうかを判断されるときは、まず住宅の診断を受けてみてください。
(4)水まわりの追加や変更で快適さをアップ!
水まわりの代表というと
- キッチン
- トイレ
- 浴室
- 洗面所
こういった部分は家を建てたときのままになっていることが多いものです。リフォームのタイミングでは、最新の設備に変更すると暮らしも快適に変わります。
また、二世帯同居の場合ですと、それぞれを使う時間帯が異なるご家庭もありますので、そうした場合は、それぞれの世帯用に追加するのもおすすめです。
2: 同居では「ほどよい距離」を作っておこう
二世帯同居で快適に暮らすためには「ほどよい距離」を作っておくことが大切です。
ここでいう「ほどよい」は、同居される世帯間によって変わってきます。ですので、お互いにどれくらいの距離感が快適なのかを正しく理解しておくことが大切。
リフォーム計画を具体的に進めるときには、二世帯間での話し合いや意識の違いを認識しておくように心がけましょう。
どちらかだけが「快適」「安心」という距離感は、2つの世帯が同居したとき、いずれ亀裂が生まれストレスになってしまいます。
(1)ほどよい距離の作り方
ほどよい距離の作り方として参考になるのは、次のような部分を共有するかどうかです。
- キッチン
- 玄関
- お風呂
- LDK
世帯によって、全てを共有しても気にならないところもあれば、キッチンだけは別じゃないと、というところもあります。
世帯によって「聖域」のようなスペースはありますので、そこはきちんと理解しておきましょう。
例えばインターネットで見た事例が「玄関とLDK」を共有したら上手くいった。こういう情報、参考にはなりますが、あなたのご家族に合っているのかどうかは別問題。
どの空間はOK。どの空間はNG。これは遠慮無くお互いに知っておくようにして、ほどよい距離を作ることに集中しましょう。
(2)間取りで考える距離感
お互いの聖域的なスペースが明確になると、次のような3つの間取りで距離感を考えることができます。
- 完全分離型
- 一部共有型
- 完全共有型
完全分離型は、ひとつの住宅に2つの設備を用意します。お互いにつながっているのは、室内の廊下や階段のみ。賃貸物件の「ハイツ」のような住宅をイメージしていただくとわかりやすいのではないかと思います。
一部共有型は、玄関やキッチン、LDKなど、決まった空間だけを共有するタイプです。共有する部分は世帯によって変わりますので、特に決め毎はありません。
完全共有型は、寝室以外は共有するタイプです。昭和以前の同居家族のタイプをイメージいただくと良いでしょう。
このように3つのタイプがありますが、二世帯住宅を専門にリフォームしているアップクラフトの経験から申し上げますと「完全分離型」が最もおすすめです。
昨今、核家族で大きくなられた方が多いため、プライバシーを守りやすいタイプが、ストレスも少なく暮らせるためだと思います。
3: 二世帯同居のメリットデメリットとは
二世帯同居のメリットとデメリットをお話します。
(1)メリット
まず、メリットからです。
[1]家族が協力しあえる
同居していますので、すぐに家族が協力しあえるのは大きなメリットです。生活の中でサポートが必要なとき、扉ひとつ向こうに家族がいますので安心です。
[2]リフォーム費用の負担を分けられる
リフォーム費用ですが、親世帯と子供世帯で上手に分けると負担を軽減することもできます。
ローンの組み方や補助金などを活用することで、
親世帯の実家をリフォーム + 子供世帯が戸建て住宅を購入
2つの費用の合計よりも、二世帯同居へリフォームした方が費用は安くなることも多々あります。
(2)デメリット
二世帯同居にはデメリットもあります。
[1]価値観の違い
世帯にはそれぞれの価値観があります。
- 生活の考え方
- お金の使い方
- 教育
お互いに「違いがある」ことを理解していないと、家族間でトラブルが発生しやすくなるのが事実です。価値観の押しつけは表面的には上手くいっているように見えても、何かがきっかけでトラブルに発展するものです。
世帯によって価値観は違う。自分の価値観を相手に押しつけない。
このような姿勢を持っていただきたいと思います。
[2]プライバシーの捉え方
プライバシーに関して、年齢や暮らし方で捉え方が大きく違います。
ただ、現在のプライバシーというと、個人の領域には入り込まないことが大切です。個人の部屋もそうですし、スマートフォンの画面をのぞき込むのも良くはありません。
「親だから」「子供だから」という感覚は捨てましょう。お互いに一人の個人として考えたとき、やっていいこと、やってはいけないことを考える必要があります。
やっていいこと、やってはいけないことが分かりづらい場合は、自分ならどう感じるのかを考えてみましょう。
4: まとめ
二世帯同居リフォームは、費用負担を抑えつつ快適に暮らせる方法です。ただし、お話しましたように、価値観やプライバシーに関する部分を最初に明確化しておくことが大切です。
この部分を曖昧にしたまま進めてしまうと、後からお互いにストレスを持って生活することにもなりかねません。
まずはご家族でじっくり話し合いましょう。少し話し合いが進めば、そこからは二世帯住宅リフォームを専門に行っている業者に入ってもらい相談するのがおすすめです。