二世帯住宅のリフォームを見積もり依頼するとき注意する点を解説します!
住宅を手に入れる資金のこと。安心した暮らしを手に入れること。サポートしあうこと。
このようなことから今お住まいの戸建て住宅を二世帯住宅へリフォームしてはどうかと検討されている方が増えています。
しかし、ここで問題があります。それは住宅のリフォームと言っても、戸建て住宅のキッチンやトイレ、浴室リフォームするのとは訳が違い、きちんと決めておくことや注意しておくポイントを知らないと、いざ暮らしが始まってからストレスが溜まる。トラブルになる。親子喧嘩が絶えない。そんなことにもなりかねません。
そこで今回は、いつまでも良い関係を保ちながら、暮らしやすい二世帯住宅へのリフォームについて解説させていただきます。
Contents
1: 二世帯住宅へリフォームするときの流れとは?
二世帯住宅へのリフォームを検討するときには、良い流れというものがあります。
(1)同居する家族で話し合おう
まず大切なのは、間取りや設備の話、費用の話ではなくて、同居を考えているご家族で話し合うことが重要です。
これまで一緒に暮らしていない家族が、同じ空間で暮らすのですから価値観や生活習慣の違いを知り、どのくらいならお互いに受け入れられるのかを確認しておく必要があります。
間違っても、親世帯が一緒に暮らしたいからと言って、子世帯の意見を聞かずに二世帯リフォームを進めてはいけません。また、反対の場合も同じです。子世帯の理由だけで勝手に親世帯と一緒に暮らすリフォームを進めてはいけません。
もし、お互いの話し合いをせずに二世帯リフォームを進めると、完成して暮らし始めてから細かなことから大きなことまで、いろいろとストレスを覚えることが発生しやすくなります。
(2)二世帯リフォーム業者へ相談
話し合いが終わり、お互いに二世帯リフォームについて前向きなら、リフォーム業者へ相談してみましょう。
ここで重要なのは「戸建て住宅のリフォーム業者」ではなく「二世帯住宅専門業者」へ相談するのがおすすめです。
というのも二世帯住宅の場合、1世帯だけが暮らす住宅の間取りとは違ったアドバイスや、お互いが共有するスペースなどについて経験を持っていないと適切にアドバイスできないことがあるからです。
(3)見積もりを比較
相談し、より前向きに検討をスタートされたなら見積もりを依頼しましょう。
できれば2~3社に見積もりを依頼し比較するのがおすすめです。費用面だけではなく、工事の内容や見積もりでの対応なども含めて観察しておくと、今後おつきあいできる業者かどうかの判断材料になります。
見積もり時点でレスポンスが遅いとか、何の連絡もなく1ヶ月以上待たされているとか、こちらから連絡しても折り返してこないとか、そんな業者がいるのなら、早めにおつきあいを切り上げた方が良いと思います。
(4)口コミや評判もチェックしよう
見積もりを見ながら、インターネットで口コミを見てみましょう。また、ご近所の評判もチェックしておきたいですね。
口コミや評判は必ずしも正しい訳ではありませんが、判断基準にはなります。ネットの口コミや評判はもの凄くいいのに対応が良くないのなら、
- ネットの情報が間違っている
- お客を見て対応している
- 費用で判断して対応している
ということも考えられます。
(5)プランの確認と現地調査
いよいよ本格的に依頼を考え出されたなら、リフォームプランの確認と現地調査を行ってもらいましょう。
ここで細かな見積もりや費用がわかってきます。
(6)契約から工事へ
信頼できる業者が見つかれば工事の契約を行います。
2: リフォームタイプ別のメリットとデメリット
二世帯へリフォームするときにはタイプ別によってメリットデメリットがあることを理解しておきましょう。
(1)リフォームタイプは3つあります
リフォームタイプには次の3つがあります。
- 完全分離タイプ
- 部分共有タイプ
- 完全共有タイプ
完全分離タイプは一つの住宅の中に、2世帯が別々に暮らすタイプです。賃貸マンションをイメージしてもらうとわかりやすいですね。
同じ敷地に住んでいるけれど、生活領域は別々ですので、お互いの生活に干渉することはほとんどありません。
部分共有タイプは、住宅の一部だけを共有する暮らし方です。共有する部分はご家族によって違いますが、一般的に多いのは次のような場所です。
- 玄関
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- リビング
完全共有タイプは、昭和以前に多かった暮らし方です。親世帯と子世帯が同じ空間で暮らしますので、大家族での暮らしが好きな方におすすめです。
(2)完全分離タイプのメリットデメリット
メリットは何と言ってもライフスタイルが変わらないことでしょう。これまでと同じように、自分たちの価値観を持って暮らせます。
デメリットは住宅の設備が2倍必要になりますので、リフォーム費用が高くなるということです。また、同じ設備、ほぼ同じ間取りが2つ必要になりますので、住宅の敷地面積もそれなりに必要です。
(3)部分共有タイプのメリットデメリット
メリットは完全分離タイプよりも費用を抑えられることでしょう。共有する部分の選び方によって設備費用を下げられます。
デメリットは共有する部分があるため、自分たちのライフスタイルを守りきれないことです。自分にとってはストレスに感じることを、相手は平然とやってしまうかもしれません。
反対に自分にとっては当たり前のことを、相手は快く感じていない可能性もあります。完全分離タイプよりは気を使うことが増えます。
(4)完全共有タイプのメリットデメリット
メリットはリフォーム費用が3つのタイプの中で最も低いということです。また、大家族での暮らしに憧れている方には理想的かもしれません。
デメリットは2つの価値観の違う家族が一緒に暮らしていますので、割り切れないことが出てきます。また、プライバシーに関しても捉え方が違いますので、「そんなところでやめてよ」ということもあるでしょう。
(5)おすすめのタイプとは?
大家族での暮らしに憧れがある。または、小さい頃から馴れているという方なら完全共有タイプや部分共有タイプもおすすめです。
しかし、昭和の頃から増えている核家族で大きくなられた方の場合なら、完全分離タイプをおすすめします。
3: 見積もり依頼するときの注意点を知っておこう!
見積もりを依頼されるとき、次の点を注意しておきましょう。
(1)費用相場をチェックしておこう
今はネットで簡単に調べることができます。必ずしもあなたのリフォームと同じ費用にはなりませんが、心づもりしておく相場を知ることはできます。
(2)見積もりや複数業者で比較しよう
見積もりは複数業者へ依頼して比較するのが鉄則です。というのも、業者によって得意なこととそうでないことがありますし、リフォーム方法によって費用が変わってくることもあるからです。
また、複数の見積もりを比較することで、なぜ安いのか、なぜ高いのか、違いがわかってくると信頼できる業者も選びやすくなります。
(3)見積もり条件は一致させる
見積もりを依頼するときですが、業者へは同じ条件を伝えるようにしてください。
そうしないと、別々の見積もりが出来上がってくるため比較することができません。先に伝えたいことをメモしておきましょう。伝え忘れがなくなります。
4: 二世帯リフォームで失敗しない5つのポイント
後悔しないために5つのポイントをきちんと考えておきましょう。これらのポイントは「良い/悪い」ではなく、ご自身たちの暮らしに合わせることが大切です。
(1)食事は一緒にするかどうか
親世帯と子世帯が一緒に食事をするかどうか考えましょう。生活スタイルが違うので、食事をする時間が違っているかもしれません。
(2)洗濯は一緒にするかどうか
洗濯ものはプライバシーにつながります。同じ洗濯機を使うのか、同じ洗濯場所で洗濯するのか。洗濯物を干す場所はどうするのか。
プライバシーに敏感な方は、別々の方が安心です。
(3)トイレや浴室は?
価値観やライフスタイルが顕著に出るポイントです。共有するかどうかを考えましょう。
共有する場合なら、朝の時間は混雑する可能性もありますので、2つ用意しておくなど対策も考えておきましょう。
(4)キッチンはどうするの?
かなり仲良くないと共有するのが難しい場所です。調理方法ひとつにしても違いがありますし、お互いが「正しい」と思っていますので、トラブルになると解決するのは難しくなります。
(5)間取りのポイントも忘れずに!
どのタイプでも同じですが、親世帯の寝室の上に子供(親世帯からすると孫)の部屋を作らない方が良いでしょう。
親世帯が寝ている時間に、孫は部屋で起きていますので「足音がうるさい」など、間取りを工夫しておけば問題なかったようなことからトラブルになることもあります。
完全分離タイプや部分共有タイプの場合ですと、寝室と水まわりの関係には注意しておきたいですね。
5: まとめ
二世帯住宅へのリフォームを検討されるときの流れや見積もりのポイントについて解説しました。
今回の内容からもわかりますが、費用や間取り以前に、一緒に暮らす家族同士の話し合いが大変重要だということです。
話し合いによって価値観やライフスタイルを確認し、お互いに「まぁ、いいか」と許せるのなら二世帯リフォームを前向きに検討していただきたいと思います。
もしお互いが「暮らし方が違いすぎる」「考え方違う」「それだけは許容できない」ということがあるのなら、時間をおいて話し合いをするか、新築の戸建て住宅を考えられた方が良いと私は思います。