戸建て住宅のリフォームは優先順位をつけると成功できる!
築30年以上の戸建て住宅や、中古住宅を購入された場合、比較的近い将来にリフォームを行うことになるはずです。
しかし、リフォームは決して安くはありません。そのため激しく傷んでいる場合はともかく、まんべんなく傷んでいる場合はどこから手を付ければいいのかわからない。こういう方がいらっしゃいます。
そして困ったことに、わからないからという理由でリフォームを先延ばしにしていると、結局は激しく傷んだ部分が同時に発生し、今度は費用面でリフォームが難しくなるというケースもあります。
このようなケースに当てはまらないよう、前もって優先順位を見つけ検討してもらうことがリフォームを成功させる秘訣です。
Contents
1: リフォーム工事の優先順位
リフォーム工事には優先順位があります。適当にはじめると必要の無い費用が掛かることもあれば、重要な場所を後回しにしてしまい、住宅にダメージを与えてしまうこともあります。
(1)家のリフォーム箇所
まず、戸建て住宅におけるリフォーム箇所を見てみましょう。
- 外壁
- 屋根
- リビング
- ダイニング
- トイレ
- 浴室
- キッチン
- 壁
- 床
- 天井
- 柱
- 寝室などの個室
- 収納スペース
- 玄関
- 物置
一般的に誰もが思いつく外壁や屋根、キッチンやトイレ以外にもリフォーム箇所は存在しています。
そして長く住んでいると、少しずつ劣化してくるためパッと見てもわからない箇所もあります。ですから、いつまでも安心して快適に暮らすためには、見た目でわかる部分だけではなく、先ほどの内容を確認し、見落としをできるだけ少なくすることも大切です。
(2)基本的な優先順位
リフォームには基本的な優先順位というものがあります。
大きく分けると次のような優先順位になります。
外回り → 水まわり → 内装
具体的には次のような優先順位ですね。
- 屋根塗装や屋根の防水
- 外壁塗装や外壁の防水
- 給湯器の交換
- 給排水の整備
- 洗面リフォーム
- キッチンリフォーム
- トイレリフォーム
- 浴室リフォーム
- 床
- 床下
- 建具
- 窓の交換
- 内装
住宅にとって最も優先順位が高いのは、雨漏りを防ぐための工事です。そのため屋根と外壁のリフォームは優先順位が高くなります。
雨漏りが激しくなると、住宅の骨格部分に不具合が発生しやすくなるため、リフォームどころの話ではなくなります。
(3)すぐに対処が必要な状況
一つ前でもふれましたが、優先順位を無視してでもすぐに対処が必要なのは、水が関係している部分のリフォームです。
具体的には、雨漏りや水漏れはすぐに対処が必要な状況と考えてください。
放っておいても自然に修繕されることはありません。また、放っておく期間が長いほど、住宅そのものへのダメージが深くなっていきます。
住宅の躯体にダメージが表れると、リフォームでは対処できなくなり、大規模修繕工事を行うか、最悪なケースでは建て替えという選択肢しか残らないこともあります。
どちらにしても当初考えていた工期や予算では対処できないため、このような状況にならないよう注意しておくことが大切です。
2: リフォームに優先順位をつけるメリット
リフォームに優先順位をつけると、次のようなメリットが出てきます。そしてメリットが出てくれば、リフォームも成功しやすくなります。
(1)相談しやすい
リフォームをする場合、最初に業者へ相談されることでしょう。
ここで予め優先順位に基づいて相談すると、業者も具体的な話をしやすくなり、わかりやすい工事日程や見積もりを提示してくれるようになります。
「あれもこれもリフォームしたい」という話はわかりますが、今回はどこをリフォームしたいのかがわからないと、業者としても確かな日程や費用予算を出すことができません。
すると、お客様の心情としては曖昧なままの話で「少しでも安い業者を選ぶ」ようになり、工事が終わったときに「こんなはずじゃなかった」と後悔されることも出てきます。
リフォームにおける相談は新築購入の相談よりも重要です。正直なところ、相談の内容によって成功するかどうかが決まると言っても過言ではありません。
(2)工事計画が立てやすい
優先順位が決まっていると、今回のリフォーム箇所が明確になっているため、業者も必要な工事計画を立てやすくなります。
すると、スムーズに工事が進みますから、不便な生活をする日数が減っていきます。
さらに、この後お話しますが、工事計画が立てられると余分な費用も発生しにくくなるのです。
(3)費用計画が立てやすい
今回のリフォーム箇所が決まっていると、見積もりが大変しやすくなります。
曖昧な話が少ないほど、追加工事もありませんので、予算通りでリフォームが完了します。
3: 知っておきたいリフォーム周期
リフォームの優先順位と合わせて検討するときに活用いただきたいのが、一般的な利用でのリフォーム周期です。
次のような周期が業界では一般化しています。
- システムキッチン:15~20年で交換
- 給排水管:15~20年で交換
- ユニットバス:20~30年で交換
- 外壁や屋根:10~15年での修繕が理想的
- 内装:15~25年で張り替え
このように業界で勧められている周期を見ても、外回りが一番だということがわかります。
4: まんべんなく傷んでいる場合
住宅によっては、どこかだけが特化して傷むのではなく、まんべんなく傷みが出ているところもあります。
こういった場合、基本は先ほどまでにお話した優先順位を基本に考えて頂きたいのですが、その上で以下のような影響が出ていないかを確認し、優先順位を入れ換えてもらうこともおすすめしています。
(1)設備の傷み具合
住宅設備の傷み具合によっては、外回りよりも先に修繕した方がいいです。
わかりづらい場合は、建物診断を依頼されることをおすすめします。
(2)生活の不便さ
生活する上で不便に感じている箇所はありませんか?
ライフスタイルの変化によって不便に感じることもあれば、家族構成の変化や年齢の変化によって使いづらくなってくる部分もあります。
生活する上で支障がないのなら後回しでも問題ありません。しかしカラダをぶつけやすいとか、二階まで毎日上がるのが怖いとか、こういう問題が出ているのなら先に修繕し安心できる状態にしておきましょう。
(3)見栄えは後でOK
内装の劣化や外構など見栄えに関する修繕ですが、後回しでもOKです。先に手を入れるのは「水」に関わる部分です。
5: 費用に関しては補助金などを上手に活用
リフォーム費用ですが、
- バリアフリー
- 省エネ
こうしたリフォームを取り入れることで減税対象になることがあります。また、自治体によってはリフォーム費用の補助金が出るところもあります。
必ずと言ってもいいですが、リフォームを契約する前に自治体窓口で補助金や減税制度を確認しておきましょう。
というのも、業者と契約してから知っても申請できないことがあるからです。
6: まとめ
リフォームには優先順位の基本があります。どこから手を付ければいいのかわからない方は、基本の流れを参考に進めてください。
本文でも何度もお話していますが、とにかく優先順位が高いのは「雨漏り」「水漏れ」を防ぐための修繕です。