二重窓で音漏れや騒音を対策!音の悩みは解決できます!
目に入ってくる問題なら、木を植える、フェンスを取り付けるなど目隠ししておけば解決できます。
しかし、音に関する問題の場合、空気を伝ってきますので人が呼吸をしている限り、耳へ入ってきてしまいます。
そのため目で見える問題よりも、音に関する問題は根が深く、ひとつ間違えると近隣住民との間で長きにわたり解決できないトラブルへと発展してしまうこともあります。
今回は、省エネの観点で政府が力を入れている「窓リフォーム」に関連して、省エネだけでなく気になる騒音問題にも役立つリフォームであることをお話していきます。
1: 音に関する悩み
音に関する悩みには、2つの問題があります。
- 外から住宅の中へ入ってくる音の問題
- 住宅の中から外へ出ていく音の問題
どちらも、常識の範疇を超える音が出続けるなら(これを騒音と言います)、誰かが不快な思いをしているわけです。
(1)入ってくる音
まずは外から住宅内へ入ってくる音についてです。
[1]公園などからの騒音
昨今問題になることが増えている、公園や商業施設から出る音があります。
おそらく音を出している側からすると「これくらい問題ないだろう」「営業時間内だけだし」という意見だと思います。
しかし、自分とは関係の無い音が毎日外から入ってくると、これは間違いなくストレスになります。
特に、静かに暮らしておられる方であれば、より生活の中で外からの音は際立ちますから、余計に気になってイライラが募っていくはずです。
ただ、こういう場合ですが音を出しているところへ「音を下げてほしい」と話しても解決する道が見えてきません。
できることというと、引っ越しか自分たちで音が入ってこないように対策するしかありません。
[2]工事などの騒音
近くに高速道路ができる。大型商業施設が建築される。
こういう場合、2年以上に渡って工事が続くことが多いため、長い期間にわたって騒音に悩まされることになりやすいです。
工事の内容によりますが、頻繁にダンプカーや大型機械が動く時期ですと、一日に何台もの車が出入りし、出入りする度に場内から「ピーッ」というような警告音が鳴りますので、これも耳について離れなくなると思います。
数年ガマンすれば収まることはわかっていますが、その数年をイライラして過ごすのはかなりの苦痛です。もったいないようにも感じますが、自分たちで対策するしかありません。
[3]隣家からの騒音
意外に多いのがこれでしょう。
例えば、
- 隣家の室外機がうるさい
- 隣家の話し声が大きくてうるさい
- 隣家のTVの音が大きくてうるさい
- 隣家のゲームの音が大きくてうるさい
そして、こういうのもありますね。
- 隣家の人が部屋を出入りするとドアを「バン!」と開け閉めするのでうるさい
- 午前3時~5時くらいの水道の音がうるさい
- 廊下を走る音がうるさい
このケース、困るのが直接「何とかしてください」と言いづらいことです。ヘタに言うと逆恨みされることもあります。今の世の中ですと逆ギレされた挙げ句に「嫌がらせ」をしてくる人もいます。
ということは、とても腹立たしいのですが、自分たちで隣家の騒音を軽減する対策に意識を向けなければいけません。
[4]鉄道の音
鉄道が近くにある場合ですが、昔とは違って遮断機の音はかなり解決されるようになりました。
そして電車の走行音もロングレール化によって、かなり解消されつつあります。しかし、鉄道に近いお家で、1時間に4~5本は電車が行き交うような場合、やはりうるさいことにかわりはありません。
あまりにもうるさい場合は、鉄道会社を相手に訴訟を起こすこともできますが(飛行場に近いところではよくあります)、そういうのは面倒だなと感じられる場合は、自分で対策するしかありません。
[5]道路からの音
幹線道路に近いお家の場合、家の前を一日中クルマやバイクが走っていますので気になります。
また、大きな音を出しながら走る「選挙カー」「演説車」などにも迷惑されている方もいらっしゃるでしょう。
道路からの問題は「振動」によって住宅が傾くなどあれば行政も動きますが、音に関しては住宅に目立った問題が出ないため大変対応が鈍いと言わざるを得ません。
でも、住んでいる人のストレスは増えていくばかり。これも自分たちで対処することが必要になってきます。
(2)出ていく音
住宅内から出ていく音の問題があります。
[1]楽器の練習
楽器の演奏を趣味や仕事にされている場合、自宅で練習をするはずです。
楽器の特性上、音が外に聞こえやすいように作られていますし、練習をする人も聞こえやすいように鳴らそうとします。ここに矛盾が生まれます。
演奏している人は聞こえやすくてうれしいし楽しい。しかし、他人からすると「うるさい音が聞こえてくる」だけという状態
揉め事のはじまりです。
そうすると、練習する人は「鳴らさないように」気をつけて演奏します。でも、そういう奏法を身につけると上手くはなりません。止める動作を繰り返し練習してしまうため、楽器本来が持っている音を出せなくなるのです。
ということで、もし楽器の練習を気兼ねなくしたいのなら、外に出ていく音への対処をする必要が出てきます。
[2]自宅での教室運営
自宅で教室をされている場合にも、声や音が外へ出ていきやすくなります。
気兼ねなく生徒さんに楽しんでもらうためには、音に関する対策を講じておく必要があります。
[3]TVの音
TVの音は、知らない間に少しずつ大きくなっていることがあります。
特に高齢者の方がお住まいの場合、少しずつ聞こえの問題が進行し、気づいたらTVの音がとても大きくなっていたということも。
自分が聞こえやすい音量でTVを楽しみたいのなら、音漏れの対策はやっておきたいところです。
[4]映画や音楽の趣味
配信やDVDなど、映画や音楽の楽しみ方が増えています。
当然、自宅でもインターネットを使い、大画面で映画やドラマ、ライブを楽しまれる方もいらっしゃるでしょう。
こういうとき、普段よりも大きな音で楽しみたいですね。だったら、音の対策も一緒に考えておいてください。
あなたが楽しんでいる映画やドラマ、ライブや音楽。近隣の方も同じように好きとは限りません。
映画・ドラマ・ライブ・音楽は、好きな人には心地よいものですが、興味が無い人にとってはいくら有名な人が作ったものでも「騒音」でしかありません。価値観の違いを理解しておきましょう。
[5]生活音
自分たちの生活パターンを振り返ってみてください。
- ドアの開け閉め
- 水が流れる音
- 廊下を歩く音
お昼間ですと気になりませんが、深夜早朝にも出ているなら近隣の方に迷惑をかけている可能性があります。
気にしすぎるのも良くないですが、安心して生活するためにも音漏れ対策を行っておきましょう。「大丈夫かな?」と不安な状態を続けるより良い方法です。
2: 音の悩みは窓が原因
音が入ってくる。音が出ていく。どちらも原因は窓にあることがほとんどです。
何となく「壁」「天井」から音が出入りしているように思われている人もいますが、壁や天井の防音効果は、住宅の中でも一位二位です。
そして、音が伝わる方法を見てみると
- 空気の振動で伝わる音
- 建物を伝わる音
この2つになり、建物を伝わる音=地面からの振動なので、こちらは対策する方法はありません。しかし、建物を伝わる音は音の問題の20%以下でして、音の問題のほとんどは「空気の振動で伝わる音」なのです。
空気の振動で伝わる音は、壁や天井という強固な部分では遮断されます。しかし、空気の振動を真正面から受ける「窓」はというと、壁や天井よりも薄いガラスだけなので音が出入りしてしまいます。
例えば厚みを見るとこんなに違います。
- 一般的な壁の厚み=150~160mm
- 一般的なガラスの厚み=3~5mm
住宅が壁だけで囲われているのなら、騒音問題がほとんど出ません。しかし薄いガラスがあるからこそ、そこから騒音問題が発生しているのです。
3: 音漏れや騒音対策には二重窓
音の問題を窓リフォームで対策される場合、防音性能だけではなく省エネ性能なども合わせて考えると「二重窓」にするのがベストな選択です。
二重窓は従来の窓の内側にもうひとつ窓を設置することで、窓と窓の間に中間空気層と呼ばれる部分を作ります。
すると、この層の中で
- 外から入ってくる音が反射して音量が減衰
- 家の中から出ていく音も反射して音量が減衰
どちらからの音も中間空気層によって反射を繰り返し、音量が減衰しますのでかなり静かな状態になってから、家に入ってくる、または外へ出ていくということになります。
さらに、サッシの部分ですがアルミサッシよりも樹脂製サッシを使うと、より気密性が高くなるため、サッシ部分からの音漏れ対策を高めることができます。
4: まとめ
音漏れや騒音の問題に悩んでおられるのなら、音の問題だけではなく省エネ効果も期待できる「二重窓」へのリフォームを検討してください。
2023年は「窓リフォーム」に関する補助金制度がスタートしています。上手に補助金制度を活用して、ストレスの少ない暮らしを手に入れてください。