浴室はバリアフリーリフォームで安全快適にできるポイントを解説します!
高齢になると筋力の低下や、バランス感覚の鈍りによって「よろっ」としてしまう。そんなことが起こりやすくなります。
特に水を使う場所である浴室で起こると、滑って転ぶことになりますし、浴槽などにカラダをぶつけてしまい、思いがけない大けがにつながることも十分に考えられます。
そこで、住宅リフォームを専門に行っているアップクラフトとしては、少しでも早い段階でバリアフリーリフォームをおすすめしています。
今回は毎日の暮らしでリラックスできる空間、浴室のバリアフリーリフォームについて解説していきます。
Contents
1: 浴室をバリアフリーにするメリットとは
浴室をバリアフリーにするメリットを見ていきます。
(1)バリアフリーとは
はじめに「バリアフリー」というのは、どういったことなのか。
一般的には、次のように考えていただくことでOKです。
生活する中で障壁(不便に感じる、危ないなと感じる)になり得る部分を、できるだけ無くすこと。
足が動きづらい方なら、階段は障壁になりますがスロープなら安全に使えますので「バリアフリー」と言えます。
これと同じように浴室も「不便だな」「危ないな」と感じる部分があるはずです。そうした部分を積極的に「危なくないように」していくのがバリアフリーだと言えます。
(2)バリアフリー化するポイント
浴室をバリアフリー化するポイントは、大きくわけると次のような箇所になります。
- 足を上げ下げする部分
- 滑りやすい部分
- 倒れたときにぶつけやすい部分
また、介助や介護まで視点に入れた場合ですと、
- 介助や介護する人が余裕を持って入れる広さ
- 介助や介護する人が安全にサポートできる設備
一般的に「バリアフリー化」というと、前者を考えがちですが少し長い目で考えると、後者の「介助や介護」サポートに関する部分まで一緒に検討しておくのが最も良いポイントとなります。
(3)バリアフリー化が求められる理由
浴室におけるバリアフリー化が求められるのには理由があります。
浴室は筋力が高く、俊敏な動きもできる若者でも、ちょっとしたことで転倒しケガをすることがあります。転倒したときの打ち所によっては大きなケガに発展し、救急車で病院へ搬送ということも十分にあり得ます。
そこで考えてもらいたいのは「高齢者の方」の場合、転倒してしまう確率が若者よりも高くなるということです。
筋力の低下による転倒もあれば、温度変化による軽いめまい。ふんばれなかったことで滑ってしまう。
水を使う浴室だからこそ、転倒が発生しやすく、大きなケガにつながってしまうものです。さらに、打撲だけで終われば良いですが、
- 骨折
- 出血
ということも起こり得ますし、こういったケガが原因となって入院期間が長引くと、そのまま寝たきりになってしまう。そんなことも考えられます。
いつまでも元気に自分の足で動いて楽しく暮らしたい。このように考えておられるのなら、浴室でのリスクを少しでも減らすために、バリアフリー化が求められています。
2: 浴室のバリアフリーで注目しておきたいポイント
浴室のバリアフリーを考えると、注目しておきたいポイントがあります。
(1)出入り口
浴室の出入り口を思い出してください。ほとんどの浴室では段差があると思います。
この段差、ほとんどは低いものですが、つい「つまずいてしまう」そんなこともあります。
出入り口でつまずくと、浴室内の床か壁にぶつかるかもしれません。お風呂上がりにつまずくと、脱衣場に置かれているモノにぶつかるかもしれません。
できるだけ浴室の出入り口は段差をなくすように考えましょう。完全に段差をなくすのがベストですが、難しい場合は2cm以下を目標にしていただけると安全性が向上します。
(2)浴槽
深すぎる浴槽は危険です。第一に、浴槽へ入る時、またぎづらくなります。無理にまたぐと浴槽に入ってから転倒の危険性も出てきます。
(3)手すり
浴槽へ入る時、出る時。洗い場で立つ時、しゃがむ時。手すりがあると安心です。
もし、よろめいたときも、手すりをつかめるだけで転倒を免れるかもしれません。
- 浴槽まわり
- シャワーの近く
- 出入り口付近
このあたりに手すりがあると、ものすごく安心できます。
(4)床
浴室の床ですが、すべりにくい素材のものを選びましょう。
水はけがよく、すべりにくい加工の床材があります。反対にタイルを使うと「すべりやすい」「冷たい」「硬いので転倒すると大きなケガになりやすい」という、カラダに厳しい状態になってしまうことがあります。
タイルは見た目が良いので選びたくなりますが、私たちリフォーム業のものとしては、
- 水はけ良く
- 滑りづらい
こちらの床材をおすすめします。
(5)ヒートショック
冬の浴室は寒くなります。他の部屋との温度差が大きくなるため「ヒートショック」のリスクが高くなります。
そこで浴室に断熱性が優れている材料を使うように考えましょう。また、浴室用の暖房器具を導入されるのもおすすめです。
(6)扉
扉に関してですが、絶対に避けて欲しいのが「ガラス」を使った扉です。万が一転倒したとき、扉へ倒れるとガラスが刺さってしまうかもしれません。刺さらなくても深い切り傷になることも十分に考えられます。
扉は「割れづらい」素材のものを選びましょう。
(7)非常ブザー
万が一のとき、声を出せないこともあります。そこで非常ブザーの設置がおすすめです。
ボタンを押すタイプ、ひもを引くタイプ。使いやすい方を選びましょう。
3: みんな気になるバリアフリーの費用相場と負担減の方法
(1)バリアフリーの費用相場
最近の傾向としては、ユニットバスへのリフォームが増えています。ユニットバスの方が気密性や断熱性が優れていますし、何と言っても水漏れすることがありません。
従来工法の浴室からユニットバスへリフォームした場合、お家の間取りや水まわりの工事の有無にもよりますが、概ね
80万円~120万円
これが費用相場になってきます。
(2)負担減の方法を活用
バリアフリーリフォームでは補助金制度が利用できることがあります。
介護認定の有無や、リフォーム額によって条件は変わりますが、対象として認められると最高で20万円助成されることもあります。
こういった補助金制度に関しては、以下のポイントに注意しておきましょう。
- 自治体によって違うので、自治体窓口で確認する
- 工事前に申請する必要がある
- 工事後に手続きする必要がある
間違えやすいのが「工事前の申請」です。申請せずに工事をしてしまい、後から「バリアフリーにしたんですけど」と自治体窓口へ伝えても補助金制度の対象になりません。
こういった条件がありますので、バリアフリーリフォームを依頼されるときには、地元のリフォーム業者へ相談すると、各自治体での申請方法などを知っていますのでスムーズに、間違えることなく進めることができます。
4: まとめ
浴室のバリアフリーリフォームは、60代になると具体的に考えていただきたいところです。できれば、筋力の低下や、更年期による体調不良を考えると50代から検討し、60代までにリフォームを完了しておかれるのがおすすめです。
浴室は「プライベートルーム」になります。そのため万が一のことが起こっても家族に発見されにくい部分でもあります。
安全・安心な浴室にして、いつでもリラックスできる空間となるようにリフォームを検討してみてください。