窓の防犯対策は大丈夫?空き巣が諦めやすい防犯の特長とは
「闇バイト」という言葉の意味を多くの方がわかるようになってしまった時代です。
これまで安全安心の中で生活できていたはずなのに、最近では住宅へ侵入する事件が少しずつ増えているようです。
侵入されてしまい金銭的な損害ならまだしも、最近は凶悪化しているため命の危険につながることも予想できてしまいます。大変困った世の中です。
そこで今回は住宅の防犯対策の要となる「窓」についてお話していきます。
Contents
1: 窓の防犯は大丈夫ですか?
住宅への侵入経路として選ばれやすいのが「窓」です。どうどうと玄関から入ってくるのは、すでに何らかの方法で合鍵を持っている不審者か、かなりのプロだと言えます。
こういう不審者は多くありません。多くは見られにくい方角にある「窓」から侵入することを考えています。
(1)防犯具合をチェック!
防犯対策として意識しておきたいのが「窓」です。窓は空き巣の侵入口になりやすく、人目を避けられる部分を調べているなら少しくらいの時間を使って侵入してもリスクが低くなるからです。
まずは住宅の窓を開けっぱなしにしていないかどうかチェックしてください。
特に気温が高くなる季節は、昼夜を問わずに窓を開けたままにしていることがあると思います。
最悪なのは、窓を開けたままカーテンを引いてしまったことで、就寝中も開いたままになっていたという場合。これは大変危険です。
(2)狙われやすい窓
窓にも狙われやすい窓と、そうではない窓があります。
まず狙われやすい窓はというと
- 施錠されていない窓
- 人通りが少ない方角の窓
- 留守だと簡単にわかる窓
短時間で侵入できるのは空き巣にとっては好都合。また、人に見られにくい場所や、住居に人が居ないのがわかっている場合は、時間をかけて侵入できるので狙われやすくなります。
窓からの侵入に関しては「カギ」を掛けておくことです。なぜならカギが付いていると、侵入までに時間が必要になるから。
人目に付かない方角の窓なら二重・三重にカギをつけておくと、流石に時間がかかるので諦めていく可能性が高いです。
問題は留守だと簡単にわかる窓です。「雨戸が締まっていると留守」というお家ですと、空き巣にサインを出しているのと同じ。お昼間に時間をかけて侵入される可能性があります。しかし、仮に雨戸を突破されたとしても、窓にカギがかかっていると、そこから侵入を試みないといけませんので、流石に時間がかかりすぎて諦めさせていく可能性が高くなります。
要するに窓の防犯で最も重要なのは「諦めさせる」ために「カギ」をしっかり使うということです。
(3)疑問に感じる防犯対策
侵入者への威嚇としては意味があります。しかし、防犯ブザーが鳴っているということは、侵入された後だということです。そのため侵入者が手慣れていると防犯ブザーを停止してしまいます。
防犯ブザーを使うなら、100db以上の大音量が鳴るもので、侵入を感知した場所から離れたところで鳴らせるものにしましょう。
2階だから安心ではありません。塀や雨樋、ベランダの柱、住居の近くにある電柱などから侵入する輩もいます。
また2階からの侵入では、ベランダやバルコニーへ入られると外から見えにくくなり、ゆっくりと時間をかけて侵入されてしまうこともあります。
- 物置の陰
- 庭木の陰
死角になるので侵入までの時間を稼ぎやすいためです。
- エアコンの室外機
- 出しっぱなしの脚立
- 自転車
足場になりやすいので2階から侵入されてしまいます。
物理的に人が通れない大きさの窓(ネコ専用とか)から侵入はできません。
気をつけないといけないのが、「あなたは通れない窓」です。
どういうことかと言いますと、あなたよりも小さな体格の人なら、何とかして通れてしまう可能性が出てくるからです。
トイレやお風呂の窓から侵入されるケースですが、このパターンが多いです。
侵入する人は、予想外に小柄な人である可能性があります。
2: プロが使う侵入の手口
どういう手口で侵入されやすいのか知っておきましょう。
(1)こじ破り
マイナスドライバーを使って、窓枠とガラスの隙間に差し込む方法です。
この方法、ドライバーを差し込むとガラスへヒビが入ります。それもかなり静かに。ほとんと音はしません。
3箇所くらいヒビを入れると、後は簡単にガラスに手が入るくらいの穴が開きます。
プロですと10秒くらいで窓を破壊しカギを開けて侵入。もっとも多い手口です。
(2)突き破り
アイスピックのような細くて先の尖った道具を使います。
方法は、最初にクレセント錠の近くに小さな穴を開け、その穴にアイスピックを入れてクレセント錠のレバーを付いて倒します。
これでクレセント錠が解錠されますので侵入可能になります。
この方法も音がほとんどしません。
(3)焼き破り
先の2つと少し違った手口です。
携帯式のガスバーナー(BBQなどでも使うものです)を使います。
ガラスにバーナーの炎を当てます。するとガラスが熱くなります。そこへ水をかけると、温度が急激に変化することでガラスが割れます。
ガラスのコップに熱湯を入れた後、すぐに冷水を注いだのと同じ状態です。
ガラスが割れれば、後は侵入するだけ。他の2つよりも音はしますが、窓ガラスを破壊しているわけではありませんので、車やバイクなどが通行している場所ですとわからないと思います。
3: 正しい窓の防犯対策方法
いろいろな手口を考えるものです。しかし手口がわかれば、私たちも対策できます。
(1)2つのことに注目
窓の防犯対策で大切なのは次の2つに注目することです。
- ためらわせる
- 手こずらせる
「時間がかかりそう」「これは面倒」「手間がかかる」
このように思わせれば良いわけです。窓からの侵入を考えている人は、とにかく面倒なのがイヤです。
サッと入って、ほしいものを手に入れて、サッと出る。
(2)暗証番号で守る
おすすめなのが、クレセント錠の解錠に暗証番号が必要になる装置です。
ガラスを破ってもクレセント錠が簡単に解錠できないのなら、最初から手間のかかる家の窓を選びません。
(3)窓カギ
「1ドア2ロック」これが理想です。
1つ目のカギは一般的な位置へ。2つ目のカギを高い位置へ。
こうすることで、2つ目のカギを壊そうとしても
- 高い位置にあるので外から目立つ
- 高い位置のカギは壊しにくい
高い位置って自分でやってみるとわかりますが、力を入れにくいのです。低い位置のように簡単にはできません。
諦めさせるのに良い方法です。
(4)防犯フィルム・防犯ガラス
防犯フィルムや防犯ガラスは対策方法として意味があります。
防犯フィルムや防犯ガラスというのは、「絶対に割れない」というものではありません。どういうものかというと、「時間をかけないと手が入る大きさの穴が開けられない」ようになっているものなのです。
時間がかかる=目立つ可能性が高い=諦めさせられる
このような理由で意味があります。
(5)格子
見た目に抑止力があります。侵入に手間がかかるので意味はありますが設置方法で失敗しないようにしてください。
というのも、格子は取り付け方によって簡単に外から外されてしまいます。格子を壁や窓に留めているビスが外側に露出していると、数秒でビスを外され侵入可能に。
防犯対策の方法を理解している業者さんで取り付けてもらってください。
(6)補助錠
窓を開けるまで、時間がかかるようにするのが補助錠です。
簡単に外せないものが理想です。
4: 間違えてはいけない対策方法
(1)強化ガラス
強化ガラスを使っているから安心という方がいらっしゃいます。
強化ガラスは防犯ガラスではありませんので防犯効果はありません。強化ガラスは割れた破片が鋭くならないようになっているガラスです。
ガラスが割れたときにケガをしにくいガラスですが、割れにくいガラスではありません。
(2)ペアガラス
ペアガラスも防犯ガラスではありません。
2枚ガラスが入っているので、侵入まで時間がかかるように感じますが、プロですと10秒前後で割って侵入します。
(3)網入りガラス
見た目に強そうなので防犯にもなりそうに思いますが、防犯ガラスではありません。
網入りガラスは防火ガラスです。火災発生時にガラスが飛散しにくいように作られています。決して防犯向けではありません。
それよりも、網入りガラスは割れたとき飛び散らないようになっているので、プロの空き巣ですと普通のガラスよりも音をさせずに侵入することができます。
5: まとめ
窓の防犯対策でキモになるのは「カギ」です。簡単に解錠できないことが重要です。
簡単に解錠できないことが最初からわかっていると相手も諦めます。
暗証番号機能のついたクレセント錠、1ドア2ロック。まずはこの2つから始めてください。