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玄関は社会とつながる場所!介護リフォームで注意しておきたいポイントを解説

 
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高齢者の方がお住まいの場合、安全な暮らしを目的としたリフォームを検討されることが多いものです。

 

いわゆる「介護リフォーム」に入ってくるお話なのですが、このリフォームの中でも重要になってくるのが玄関リフォーム。

 

今回は玄関リフォームにフォーカスしたお話をさせていただきます。

 

1: 介護で玄関リフォームを行う意味

介護リフォームの中でも重要なのが玄関。どうして玄関リフォームが大切なのか、その意味をお話させていただきます。

 

(1)自分で行動できる環境

介護リフォームというと、介護する人、介護される人の負担を少しでも軽減できるように考えることが大切です。

 

特に玄関は、高齢者の方が自分で行動を起こそうとするとき、重要な場所になります。

というのも、家から一歩でも外へ出てみようと考えたとき、玄関を通ることに不安が強ければ、外へ出ようという意欲も小さくなってしまいます。

 

すると、高齢者の方自身も気にされていることですが、動く機会が減ってしまい運動不足や筋力の低下、さらには外へ出ることで得られる刺激が減ってしまい、前向きな気持ちが減少してしまうことにつながるのです。

 

このような状況が続くと、誰しも「うつ」状態になりやすくなりますし、気持ちが塞ぎ込んでしまうことも増えますので、毎日の生活の中でイライラすることが増えてしまいます。

 

知らず知らずの間に、介護する人、される人のどちらにも精神的な負担が増し、良い状態から遠のいてしまうことになります。

 

(2)おでかけのしやすさは介護する人、される人の負担を変える

いっぽう、玄関リフォームを行うと、外へ出やすくなります。車椅子でも歩行器を使っていても、杖を使っていても、安心して自分で外へ出ることができれば、気持ちも前向きになりますし、塞ぎがちな気分も少しずつ晴れやかに変化していきます。

 

この状態は、介護をする人、される人、どちらにとっても大変うれしい状態です。ストレスを減らすためには、高齢者の方が自分で行動を起こしやすい「玄関リフォーム」にフォーカスすることが大切です。

 

2: 玄関リフォームを行うメリットとは

玄関リフォームを行うメリットについてお話します。

 

(1)負担の軽減

玄関の段差が大きい。玄関から出ても凸凹が多くて歩きにくい。車椅子が上手く前に進まない。歩行器が真っ直ぐ立たないので怖い。

 

こうしたことが起こると、高齢者の方は「転倒」「ケガ」というイメージが強くなりますので、一人で外へ出ることを控えるようになります。

 

また、一人で外へ出ることが難しい場合、家族の手助けを求めればいいと考えがちですが、本人さんからすると「恥ずかしい」「気兼ねする」という感情が強くなり、外へ出たくても言えないことがあります。

 

こういった状況が長い期間続くと、高齢者の方にフラストレーションが溜まり、イライラすることが増えてしまいます。また、自分一人で外へ出られないことを悔やみ、自信を喪失してしまうというケースもあります。

 

どちらにしても、高齢者の方の心に要らぬ負担が掛かっている状態です。このような負担を減らす為には、一歩でもかまいません。本当に10cmでも20cmでもかまいません。

 

いつでも玄関から一人で外へ出られるようにリフォームすることで、心の負担を減らすことができるのです。

 

(2)動きやすいとイライラが減る

高齢者の方を介助される方にとって、外へ出るときに動きづらいという経験もあると思います。

 

車椅子の向きを変えにくい。歩行器が上手く立たない。手すりがないのでフラつくので気が気じゃない。

 

こうした介護する人に掛かっている小さな負担は、少しずつ積み重なって大きなイライラに変化します。

 

すると、怒る気はなくても、つい高齢者の方へキツいことを言ってしまい、後悔することも増えてきます。

 

こういうケースがご自宅で増えているのなら、玄関をリフォームして広くしてみましょう。介護する人がスムーズに動けると、気持ちに余裕が生まれます。

 

ちょっとした不便を解消することで、小さなイライラが減っていきます。すると、これまでカチンと来ていたことが減ってきます。

 

結果的に、介護する人、される人、どちらにとっても心に余裕を持てる家が出来上がります。

 

(3)誰もが介助しやすくなる

玄関は人と会う場所です。

 

そのため、家族でなくても誰もが簡単に手助けできるようになっていると、家族も負担が減ってきます。

 

また、誰もが手助けできるようにしておけば、万が一あなたが体調不良で入院した場合でも、親戚や知人にお願いすることもできます。

 

誰もが介助や手助けしやすい玄関は、いつまでも社会と繋がりやすくなり、孤独感を生み出しにくくなります。

 

3: 玄関の介護リフォームポイントを紹介

玄関を介護リフォームするときのポイントについて紹介します。

 

(1)つかまる場所

玄関の介護リフォームで欠かせないのが「つかまる場所」を作ること。

 

移動するときに「手すり」が設置されていると、体が安定しますから安心して動くことができます。

 

この「安心」が、外出してみようという意欲に繋がります。

 

(2)座って靴を履ける・脱げる

靴やスリッパを履くとき、脱ぐとき。中腰では危険です。前向きに転倒することもあれば、後ろ向きに倒れて頭部を打ち付けることもあります。

 

このような事故を起こさないためには、座って履ける、脱げる場所を作るようにしてください。

 

一般的な日本住宅の玄関は、座って履く・脱ぐという動作をするためには狭いです。できるだけ広く玄関をリフォームし、楽に腰を掛けられる場所を作るようにしてください。

 

(3)滑らない

高齢者の方が「怖い」と感じられるのが「滑る」ことです。

 

特に雨の日や、雨の後などは玄関の床部分が湿ってしまい、ツルツルしていると怖いものです。

 

滑ることは転倒することでもあります。玄関リフォームでは見た目よりも「滑らない」床材を選びましょう。

 

しっかり立てる、しっかり歩き出せることは、大きな安心感を得ることになります。

 

(4)広めの入り口

車椅子や歩行器を使って、そのまま出入りできる広さがあれば理想的です。

 

これは介護する人にとっても便利です。

 

(5)扉の選び方

玄関の扉ですが、高齢者の方や介護する人が使いやすいものを選びましょう。

 

  • 軽い扉
  • 左右に開閉できる扉

 

玄関扉を交換するだけでも、玄関を広く使えることも多々あります。

 

4: 気になる費用相場と介護保険の適用範囲

玄関リフォームの費用についてお話します。

 

(1)介護リフォームの費用相場

大きなリフォームとして「扉」の交換があります。このようなケースの費用ですが、約20万円からというのが相場です。

 

小さなリフォームですと、イスの設置や玄関の踏み台設置なら、2万円~5万円が相場です。

 

床材のリフォームですが、材質と広さによって費用が変わってきます。一般的には、1㎡3000円からというのが相場です。

 

(2)介護保険の適用は?

高齢者の方が、介護認定や支援認定を受けておられるのなら、介護保険を利用することができます。

 

住宅改修では20万円までの工事費用の7割~9割を介護保険でまかなうことができます。

 

介護保険の適用範囲については、ケアマネさんに相談してみてください。上手に活用して、快適な暮らしができるよう整えましょう。

 

5: まとめ

高齢者の方がお住まいの住宅では、玄関リフォームは大切なポイントになります。

 

なにより玄関は社会とのつながりを持つ場所です。玄関から外へ出ることが億劫になると、精神的にも肉体的にもストレスが増します。また、筋力低下や認知能力の低下につながることも考えられます。

 

介護リフォームを検討されている場合、浴室やトイレ、キッチンも大切ですが、まずは玄関からリフォームを計画してみてください。

 

外へ一歩でも自分で出られる状況を作ることで、介護する人もされる人もイライラが軽減します。

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