リフォームか建て替えか?悩んでいる方へ失敗しない判断基準を解説します
築年数が20年30年50年と経過していると、そろそろリフォームしようか。それとも新築に建て替えようか。そんな悩みが出てくると思います。一般的にはリフォームと新築への建て替えを比較すると「費用はリフォームの方が安い」と言われますが、実は住宅の状態やご要望によっては変わらないこともあります。
そこで今回は、リフォームを専門におこなっているアップクラフトが、リフォームと建て替えを決める判断基準について解説していきます。
Contents
1: リフォームか建て替えかを判断する基準とは
リフォームか建て替えかを判断する基準は、大きく分けて次の6つがあります。
- お家の状態
- 今後のライフプラン
- 手に入れたい間取りや設備
- 敷地の状況
- 住宅の構造
- ご予算
これらを洗い出してから、リフォームか建て替えか、どちらを選べば良いのか考えていきましょう。
(1)リフォームを選んだ方がいい場合
リフォームを選んだ方がいい場合についてお話します。
まず大切なのはお家の状態です。シロアリやひどい雨漏りなどによって住宅の構造部分に大きな被害が出ていない。耐震問題もクリアできている。こういう住宅ならリフォームを選んだ方がいいでしょう。
また、次のような計画がある場合もリフォームがおすすめです。
- これからも長く住み続けたい
- 子供や孫の世代にも引き継ぎたい
そして気になる費用に関して、できるだけ少額で新しくて使いやすく綺麗な住宅にしたいというご要望があるのなら、こういった場合もリフォームが向いています。
(2)建て替えを選んだ方がいい場合
もちろん建て替えを選んだ方がいい場合もあります。
例えば、耐震問題や住宅の傷みが激しい場合。こういった場合、リフォームするだけでは対処できないため、建て替えをおすすめします。
また、今後30年、50年と住宅を引き継いでくれる人が決まっているのなら、新築へ建て替えた方が住宅も長持ちします。
その他には
- 大きな間取り変更をしたい
- ライフスタイルが大きく変化した
- 断熱をはじめとする性能を強化したい
こういった理由を強く望んでおられる場合も新築への建て替えがおすすめです。
(3)具体的な築年数で判断するのもあり
[1]築年数50年
これからお子さんやお孫さんへ住宅を譲渡される計画がある。二世帯で暮らす計画がある。こういった場合なら新築への建て替えが良いでしょう。
逆に譲渡される計画はない。後20年くらい暮らせればいい。こういったケースならリフォームがおすすめですのでご検討ください。
築年数50年以上の場合、これから何年暮らすのかが大きなポイントになってきます。経験的には、これから30年以上暮らすことを目指しておられるなら建て替え。そうではない場合はリフォーム。これが判断基準の一つになります。
[2]築年数40年
概ね築年数50年のケースと同じです。今後30年以上暮らす計画があるなら建て替え。耐震性や大きな劣化が出ていなくて、今後は20年くらい暮らせればいいというケースならリフォームをおすすめします。
[3]築年数30年
リフォームと建て替えを悩まれる築年数だと思います。
築年数30年前後の住宅をお持ちの場合、ほとんどは新耐震基準を採用しています。そのため従来の家よりも強く出来ています。
そこでリフォームか建て替えかを判断する基準として活用頂きたいのが、次の視点です。
「今後50年以上暮らすのか」
住宅の骨格部分が強くなっているため、定期的なメンテナンスを行っているなら、あと50年くらいはリフォームするだけでOKです。しかし、50年以上先も暮らす計画があるのなら、このタイミングで建て替えという選択もいいでしょう。
しかし、一般的な住宅で、特に大きな劣化や傷みがないのなら、今はリフォームしておくことをおすすめします。
2: リフォームのメリットとデメリット
リフォームのメリットとデメリットを見ておきましょう。
(1)メリット
[1]費用負担が少ない
新築と比較すると費用負担が少なくなります。ただし、大きな間取り変更や、こだわり抜いた材料・設備を選ぶと新築と変わらない費用になることもあります。
[2]プランが組みやすい
リフォーム専門業者に現地調査をしてもらい、あなたの要望を伝えることで、建て替えよりも費用や工期が具体的に出てきます。
費用と工期が明確になるので、ローンや工事中の暮らしの方法について計画しやすくなります。
[3]法律の制限を受けない
旗竿地に建っているお家の場合、解体すると家が建てられないことがあります。また、今の家よりも建坪を小さくしないといけないこともあります。
しかしリフォームなら、こういった法律の制限を受ける範囲がかなり少なくなります。
[4]手続きなどの費用負担が少ない
リフォームは修繕工事ですから、建て替えのように多くの手続きは必要ありません。意外に出費が嵩む「登録料」「手数料」「申請料」の負担が少なくなります。
[5]施工中も住める
リフォームの内容によりますが、大きな工事でなければ暮らしながら工事を進めることもできます。
(2)デメリット
[1]思い通りの間取りにできないことも
住宅の骨格部分を変えることはできませんので、建て替えのように間取りを自由に設計できないこともあります。
[2]大きな変更は費用が高くなることも
大きな間取り変更、水回りの場所移動などは費用が高くなることもあります。見積もり段階で注意しておきたいですね。
[3]強度に無理が出る可能性も
住宅の性能によっては、強度に無理が出てしまうため要望どおりにリフォームできないこともあります。理想の間取りを実現するためには、先に住宅の調査をしてもらうようにしましょう。
3: 建て替えのメリットとデメリット
建て替えのメリットとデメリットを見ておきましょう。
(1)メリット
[1]資金計画しやすい
引っ越しから解体工事。設計や施工など、最初から最後までの資金計画を立てやすいです。自分だけでは難しい場合は、フィナンシャルプランナーの力を借りるのもおすすめです。
[2]間取りが自由
建て替えはゼロから作りますので、間取りの自由度が高いです。理想の状態にできるのは最大のメリットだと言えます。
[3]長く暮らせる
これから30年、50年と暮らせます。子供世帯や孫世帯へ引き継ぐことも可能です。
[4]耐震性が高い
耐震性能はアップしています。新しい工法によって、より強固な住宅になりますので安心度が違います。
[5]保証が長い
保証期間が長いケースも多いです。10年くらいは保証対象になることもあります。
(2)デメリット
[1]手続きが多い
ご存じのように手続きが多いです。そのため、知らない間にお金が掛かることもあります。役所へ足を運ぶたびにお金が出てきます。
[2]建て替えできないことも
旗竿地など、奥まった場所に建っている場合、解体工事をすると現在の建築法によって建てられないこともあります。
ここは大変重要ですので、建て替えを検討されている方は、前もって調査してもらうことが必要です。法的な見極めが必要なら司法書士さんへ相談されるのも良いです。
[3]引っ越しが必要
一時的に家が無くなりますので引っ越ししないといけません。これは結構な手間と費用負担がかかります。
[4]仮住まいの費用も必要
仮住まいの家賃も必要です。ご家族によっては、一時的に荷物を保管するためレンタルコンテナの利用も考えないといけないかもしれません。
4: リフォームの費用相場と工期
住宅の状態や、どんな工事にするのかで費用や工期は変わります。ここでは目安費用と工期をお話します。
(1)築50年のリフォーム
かなり傷みも出てきている時期です。そのため新築のようにリフォームするケースが多いです。
基礎部分まで補強すると、2500万円くらいの費用がかかります。工期は約5~6ヶ月というところです。
(2)築40年のリフォーム
柱や梁に補強をし、外装や内装を新しくします。必要なら断熱材や断熱性能の高い窓を入れることもあります。
耐震性能と断熱を取り入れたリフォームで、1700万円くらいの費用になります。工期は3ヶ月くらいです。
(3)築30年のリフォーム
築30年のリフォームに多いのが間取りの大きな変更、外装と内装のやり直し。
間取りを変えるため、かなり大きな工事をすると1700万円くらいになります。工期は3ヶ月ほど。
ただ、築30年のリフォーム費用や工期は、どういったリフォームをするのかで大きく変わってきます。
キッチンの設備をリフォームするだけなら、100万円以内で工事できることもあります。このタイミングでリフォームを検討されている方は、まずリフォーム業者へ相談されることをおすすめします。
5: まとめ
リフォームと建て替え。どちらを選ぶのか迷ったときは、今回お話しました判断基準を活用いただきたいと思います。
どちらもメリットとデメリットがありますので、ご自身にとってメリットが大きいのはどちらなのか考えて頂くと答えを出しやすくなります。
費用面や工期に関しては、現在の住宅の状態によって変わりますので、リフォーム業者へ相談してください。いくらインターネットで検索しても、あなたのお家の同じ状態、同じ大きさの住宅はありませんので、正しい費用や工期を見つけることはできません。
現地調査をしてから見積もりをしてくれるリフォーム専門業者に問い合わせてください。