窓リノベーションの目的と方法~失敗しないコツとは?
政府も力を入れている「窓リノベーション」。補助金制度も使えるため、自宅の窓も何とかしたいと考えておられる方が増えています。
そこで今回は、窓リノベーションを考えるとき、忘れてはいけない「目的」と「方法」。そして、いくら補助金制度が使えるからと言っても、決して安くない費用を出すことになりますから「失敗しないコツ」についてお話していきます。
Contents
1: 窓リノベーションを検討するときの注意点
住居における「窓リノベーション」を検討する場合、次の注意点を忘れていてはいけません。
根本的なことですから、ここでお話する内容をクリアできるのかどうかが、今後の窓リノベーションに大きく影響してきます。
(1)マンションの場合
マンションに住んでおられる方ですが、まず「賃貸物件」の場合ですと勝手には窓リノベーションを行うことはできません。
物件を管理している会社、または家主の許可が必要になります。「だったら許可をもらおう」という人もおられますが、現実的には一部屋だけ窓リノベーションをすることはありませんし、仮に窓リノベーションをするにしても退去されたときに工事をしますので、許可をもらえることは「ほぼ無し」と考えてください。
続いて「分譲物件」の場合ですが、分譲マンションには次の2つの区画が存在していることに着目してください。
- 専有部分
- 共用部分
例えばエントランスや廊下、階段などお住まいの部屋の「外に面している部分」は、すべて「共用部分」になります。ここはあなたがどんなにリノベーションした方が良いと思ってもやってはいけない部分です。
共用部分に関しては、マンションの規定や規約がありますので必ずチェックするか、管理会社に問い合わせるようにしてください。
もうひとつの「専有部分」ですが、こちらはあなたのお部屋なので室内に関しては自由です。
しかし、
- 窓
- サッシ
- バルコニー
- 玄関ドア
こうした部分は「専有部分」のように思えますが、外に面している部分でもあるため「共用部分」となっているマンションが多いです。
マンションの場合、窓が関係する部分については必ず
- マンション規約や規定
- 管理規約
- 契約書
これらの内容を再確認するか、管理会社へ直接問い合わせるようにしてください。
マンションの規定によっては、「バルコニー側の窓はリノベーションOK」となっているところもあります。
(2)戸建ての場合
戸建て住宅の場合ですが、基本的にはマンションのように制限がありませんので自由に窓リノベーションすることができます。
ただし、
- 新たに窓をつくる
- 窓を拡張する
こういうケースは住宅の構造上、耐震問題に繋がることがありますので、必ずプロに診断してもらう必要が出てきます。
窓も住宅を支えている一つの部品ですから、この部分が弱くなると大きな地震のときに、支えきれなくなる可能性が増えてしまうからです。
2: 窓リノベーションの目的と方法
窓リノベーションの目的と方法について理解しておいてください。
「何となくご近所もやっているから」という曖昧な目的でやるものではありません。
(1)5つの目的
代表的な5つの目的を説明します。この中のどれかに一致するなら、窓リノベーションを行う意味があります。
外気と触れる箇所で、もっとも熱が逃げやすく、また侵入しやすいのが「窓」の部分です。
ですから、電気料金やガス料金を抑えたいと考えておられるのなら、熱を逃がさない、侵入させない窓にすることで実現することができます。
冬に多い結露の問題。ちょっとくらいならガマンできますが、窓が開かなくなるくらいの結露が発生しているなら、窓リノベーションで解決されるのがおすすめです。
多くの場合、「内窓」を設置することで「結露」だけではなく同時に「断熱」「日射熱」を軽減することもできるようになります。
音の問題が気になって仕方がない。そういう方には、窓リノベーションを強くオススメします。
音は熱とは違い、サッシのスキマから漏れる、入ってくることが多いため、窓ガラスだけではなくサッシも一緒にリノベーションするのが理想的です。
お部屋が暗い。風通しが良くない。こういう場合も窓リノベーションがおすすめです。
少しだけ窓を開けておける仕組みなどがありますので、快適な生活空間に変化させることができます。
防犯にも窓リノベーションがおすすめです。強化ガラスを使うことで、簡単に割れなくなりなります。
こういう目的で窓リノベーションをしたくはありませんが、昨今の事件を知ると「自分の家でも必要かな?」と思ってしまいますね。
(2)窓リノベの方法
リフォームを長く仕事にしてきた私としては、窓リノベーションは可能なら
- 窓ガラス
- サッシ
2つを同時に入れ換えることをおすすめします。
というのも、2つの相性や組み付け具合によって、窓の性能をフルに発揮できるかどうかが決まるからです。
室内の空気が逃げる、外の風が入ってくる、音が漏れる、騒音がつらい。こういうケースですと、サッシだけリフォームすることで改善できることがあります。
というのも多くの場合、これらのケースはサッシと壁のスキマが原因になっていることが多いからです。
昨今、窓リフォームで多いのが「内窓の設置」です。
今ある窓はそのまま。室内側へもう一つ窓を設置する方法です。
内窓設置は、
- 結露
- 音の問題
- 熱の問題
これらを解決できる方法として人気です。
ただし、内窓を設置すると室内の面積が少し狭くなります。ここが許容できるなら内窓はおすすめです。
3: 窓リノベーションができない場合の方法
もし、窓リノベーションができない場合ですが、次の3つの方法を試してみてください。
(1)ブラインド
ブラインドを設置することで、従来の窓の手前にひとつ薄い壁ができますから、何もないよりは
- 熱
- 音
これらの問題を軽減できます。
ブラインドには、木製のものもありますので、暖かな雰囲気のお部屋に変えることも可能です。
(2)ロールスクリーン
採光、風通し。この2つを重視する場合なら、ロールスクリーンがおすすめです。
微妙な角度で開け閉めできますので、目隠しにもなれば、明るさ調整のアイテムにもなります。
どちらも窓リノベーションをするほどの効果は期待できませんが、小さなストレスを解消するには役立ちます。
4: 窓リノベーションで失敗しないコツ
窓リノベーションを行うとき、次のポイントを意識してください。失敗することは減ります。
(1)熱効率を考えるなら「大きな窓」から
住宅の熱効率を最優先で考えるなら、外気と触れ合う面積の多い「大きな窓」からリノベーションをスタートしましょう。
庭に面しているリビングの窓は第一候補になります。
(2)出窓の内窓は業者の腕次第
出窓に内窓を付けたい場合ですが、業者によっては取り付けできないところもあります。反対に業者の腕次第で、3面が飛び出している出窓でも内窓設置されるところがあります。
出窓がある場合、候補になっている業者さんへ「出窓に内窓設置の事例はありますか?」と聞いてみてください。
(3)室内とのバランスを考慮
窓(どちらかというとサッシ)を変えると、お部屋の雰囲気が変わります。
そのため、室内で簡単に変えられないアイテムとのバランスを考慮して、製品選定するようにしてください。
サッシの色だけを単体で考えてはいけないということです。室内と外壁の色や柄なども考慮しておくことが大切です。
(4)予算を決めておく
とても大事です。予算が決まっていないと、どの製品を選ぶのかが決まりませんし、そもそも「どういう問題解決を最優先にしたいのか」が明確でないので、あなたのお家に適した窓を選ぶことができません。
(5)業者選びを怠らない
ただひとつ「窓のリノベーション工事」の事例を見せてもらってください。
どういう窓の事例が多いのか。どういう問題解決で窓リノベーションされたのか。この2つが分かれば、あなたのお家のリノベーションに適しているか判断できます。
(6)支援制度を知っておく
自治体や政府の支援制度を自分でチェックしておきましょう。
2023年であれば「先進的窓リフォーム事業」という支援制度が進んでいます。
こういった支援制度は、こちらから見つけて使わないと誰も教えてくれません。自治体の窓口が「○○ありますよ~」とは言って来てくれません。
インターネットで調べると出てきますので、自分でチェックすることが大切です。
5: まとめ
窓リノベーションを検討される方が増えています。光熱費などの高騰が影響している可能性もありますが、やはり窓を変えることで快適に暮らしやすくなることを知っておられる方が増えているのが理由だと私は思っています。
窓を変えると見え方が変わります。そして季節の感じ方も変わります。快適に暮らす方法として窓リノベーションはおすすめです。