同居(二世帯)リフォームがうまくいく間取りを知っておこう!
実家の戸建て住宅を同居できるように、二世帯へリフォームしようと検討されているのなら、もっとも大切なことは間取りだということをご理解ください。
家の間取りは、お住まいの敷地の広さや住宅の大きさによって、できることとできないことがあります。また、住宅の構造によっても、できることとできないことが出てきます。
ただ、どのようなケースであっても、同居するためのリフォームを検討されているのなら、ストレスをできるだけ溜めずに暮らしていける間取りから考えてもらいたいと思います。
そこで今回は、二世帯へのリフォームを専門としているアップクラフトが、これまでの経験から同居リフォームに重要な間取りについてお話していきます。
1: 二世帯同居のリフォームで難しいのが間取り
(1)同居したいが間取りが合わない
親の老後が心配。子供の面倒を見てもらえるから。生活費や駐車場代などの経済的な負担を軽減できるから。という理由で同居を前向きに考えておられるご家族がいらっしゃいます。
このようなご家族に多いのが、今すぐにでも同居したいけれど間取りが合わないという悩み。
実際に住宅を見ると、物置スペースになっている1階の和室が余っていたり、お子さんが独立された後、特に親も使っていない2階の部屋があったりするのですが、内装が和室なので使いづらいとか、一部屋の広さが狭いため今のままでは使いづらいという不便なことが出てきます。
こういったケース、意外に多いと思うのですが、考え方によっては二世帯に向いている間取りに変えることも可能なのです。
例えば、一階にある和室の物置スペースを親世帯の寝室にすることができます。次に2階の空いている部屋を子世帯のLDKにします。
このようなリフォームポイントを決めると、おのずと1階は親世帯用、2階は子世帯用にすることが見えてきますので、玄関だけを共有するようにして一部分離型の二世帯リフォームも可能なのです。
同居したいけれど間取りが合わないという場合、使われていない部屋をどのようにするかから考えてみると、二世帯リフォームを前向きに検討することができるでしょう。
(2)同居のストレスや不満を解消
同居で感じるストレスや不満。これは間取りによって違ってきます。
結果からお伝えしますと、同居(二世帯)でストレスを感じにくい間取りは「完全分離型」の間取りです。
その次にストレスを感じにくいのが「一部分離型」。最後が「完全同居型」となります。
当然、ストレスというものは大変主観的なものですから、同じ状況に居てもストレスになる人もいれば、全く気にならない人もいます。
しかし、一般的なお話ではこのような状況なので、同居によるストレスや不満を解消しつつ暮らしたいのなら「完全分離型」のリフォームを目指すのが得策かと思います。
(3)鍵を握るのはプライバシー
どうして「完全分離型」が暮らしやすいのかというと、快適な暮らしの鍵となる「プライバシー」を守りやすいからです。
休日にリビングでダラダラしていても大丈夫。
今日の夜くらいキッチンを片づけなくても平気。
こういった何気ないことが、できるかどうかで人の暮らしは変わります。
また、キッチンやトイレ、浴室などは、世帯による価値観が反映されやすい空間です。
調理の方法や片づけ方、トイレの使い方や浴室の使い方などは、正解不正解がないため、世帯による価値観や生活習慣によってOK、NGが決まります。
こうした世帯によって変化することもプライバシーが守られているのなら、イライラすることも減りますので快適な暮らしにつながっていきます。
(4)同居する前に知っておきたいこと
「完全分離型」がおすすめと申し上げましたが、どのお家でも「完全分離型」が出来るとは限りません。
敷地の広さや住宅の大きさによっても変わりますし、家族構成によっても影響を受けます。
そこで、同居する前にリフォームするポイントの優先順位を理解しておきましょう。
- [1]キッチンは別にする
- [2]トイレは別にする
- [3]浴室は別にする
これが優先順位の高い部分です。さらに
- [4]玄関を別にする
- [5]お互いの寝室は離す
- [6]親世帯の寝室の上に、子供部屋や浴室を作らない
このようなポイントもあります。
2: どんな間取りなら同居がうまくいくのか
完全分離型にできない場合、どんな間取りにするのがベストなのかを見ておきましょう。
(1)玄関の新設で生活動線を分ける
水まわりの分離が難しい場合、まずは玄関の分離を考えましょう。
玄関を新設することで、家の中の動線に変化が出てきます。人は家の中で動くパターンが決まっているので、玄関を分離することでお互いのスペースを干渉しにくくなります。
(2)住宅内の生活動線を分ける
つづいて考えたいのが、家の中の生活動線を分けることです。
この方法は、あらかじめ同居する世帯の動線を把握し、できるだけ干渉しないポイントを見つけることから始まります。
親世帯に来客が多く、玄関とリビングをメインに行き来するのなら、親世帯用の客間を新設し、みんなが使いたいリビングへの動線を変えるのも方法です。
(3)生活動線を分けづらい場合
どうしても生活動線を分けづらい場合もあります。
多いのは、リビングを通らないと玄関へ行けないとか、トイレに行けないケースです。
また、親世帯の寝室がリビングと隣り合っているというケースもあります。
こうしたケースの場合、リビングでくつろぎたくても同居人と干渉しますので窮屈な雰囲気になってしまうことでしょう。
間取りのポイントとしては、リビングを通らずに玄関やトイレへ行けるような間取りへリフォームすることを最優先に考えてみてください。またリビングと隣り合っている寝室は、介護が始まったときにも使いづらいので別の部屋へ移動を検討するのがおすすめです。
このように、二世帯へのリフォームは、内装などよりも間取りに重点を置いて考えないといけません。
限られたスペースをどのように組み替えるのか。まるでパズルのような感覚ですが、お互いの生活動線を考えながら、干渉しすぎない間取りを検討してもらいたいのです。
3: うまくいく同居リフォームで注意しておきたいポイント
(1)ライフスタイル
ここまでお読みいただいていればおわかりのとおり、二世帯は世帯によってライフスタイルが違うということです。
誰もがわかっているはずなのですが、二世帯を検討しだすと、どちらかのライフスタイルが善になる、相手のライフスタイルが間違っているような雰囲気になりがちです。
でも、そんなことはありません。どちらのライフスタイルも正しいのですから、お互いが許容できるポイントを見つける努力を進めていきましょう。
(2)家族での対等な話し合い
どちらからの世帯が主導権を握ってしまい、主導権を持たない世帯は発言する機会も少ないということもあります。
これは間違った二世帯の考え方です。どちらかの要望だけを実現していては、快適な暮らしをおくれるお家はできあがりません。
対等な話し合いによって、お互いを受け入れ認め合うことが大切です。
(3)業者選び
二世帯へのリフォームは、「人間同士の関わり」に重点を置く必要があります。
一般的なリフォームは、1つの世帯の要望だけを満足すれば良いのですが、二世帯の場合は2つの世帯の要望を丁寧にお聞きし、どちらにとっても満足のいくリフォームを目指さなくてはいけません。
ですから、二世帯リフォームは一般的なリフォームとは少し違い、二世帯特有の間取りの考え方や人間関係の洞察などが必要になってきます。
そこでリフォーム業者を選ぶときには、一般的なリフォーム業ではなく、二世帯リフォームの経験を持つ業者へ相談してもらいたいと思います。
4: まとめ
同居を考えた二世帯リフォームは間取りで決まります。
今回の内容を参考にしながら、あなた方の生活を快適におくれる動線を見つけ、予算や住宅の大きさにあったプランを選んでみてください。