トイレは増設できないの?快適な暮らしへのリフォームポイントを解説
二世帯住宅や二階建て以上の住宅でトイレを増設されるところが増えています。特に高齢者と同居されているところでは、トイレを増設することで快適な暮らしを送りやすくなるためおすすめのリフォームです。
今回はトイレの増設のメリットや注意点。さらに増設できない理由について解説していきます。
Contents
1: トイレの増設のメリットとは
少し前までは、「住宅にトイレは1つ」という固定概念がありました。誰が決めたわけでもありませんが、これまでの住宅事情やライフスタイルから、このようなルールがあったのだと思います。
しかし最近では、このようなルールは意味を持っていません。固定概念に縛られるよりも、もっと快適で便利な暮らしを望む方が増えています。
(1)朝のトイレ渋滞を解消
家族の人数が増えるほど、朝のトイレ渋滞が発生しやすくなります。
特に通勤と通学前の時間帯は、家のトイレが大渋滞。洗面所と同じくらい待ち行列が出来ることもあります。
特に家族が4名以上になり、同じくらいの時間帯に出掛けるのが3名以上となると、朝のトイレの取り合いは必ず起こります。
このような状況を回避できるのがトイレ増設のメリットです。
(2)ライフスタイルの違いを解消
二世帯住宅の方。または家族の中でライフスタイルがまちまちの方。
こうしたケースで発生しやすいのが、トイレを使う時間帯がバラバラのため、トイレを使うとき心配が増えること。
例えば高齢の親世帯なら、夜中のトイレで子供世帯を起こしてしまわないか心配が増えます。また、早朝にトイレを利用したいときも、同じような心配が起こります。
子供世帯としては、親世帯が就寝してからトイレに行くと起こしてしまいそうで心配ということもあります。
このようにライフスタイルの違いを解消し、トイレへ行くときの心配事を減らすのにも、トイレ増設はメリットがあります。
(3)ゲストを迎えても安心
ゲストがいらしているとき、トイレへ行くのをガマンすることはありませんか?
特にご自宅で習い事を教えておられる方や、お友達が頻繁にやってこられるところでは、家族の負担が知らない間に増えていることもあります。
こうしたケースで、家族もゲストもガマンすることなく暮らしを楽しめるのは、トイレの増設です。
例えば、ゲストを迎える客間の近くと、客間から遠い場所の二箇所にトイレを作っておくと、トイレでゲストと鉢合わせすることがなくなります。
(4)ガマンする必要が減る
朝のトイレ渋滞。ゲストとの鉢合わせ。早朝や深夜のトイレ。どちらも気兼ねなく行けるのがカラダにとって最も良いことです。
しかし、先ほどお話しましたような事情で、ついついガマンをしている方も多いはず。しかしトイレの増設を行うと、かなりガマンする必要が軽減されます。
もし、ガマンしている時間が長いのなら、思い切ってトイレの増設を検討してください。
(5)不安が減る
高齢者の方に多いのがトイレの不安。
- トイレへ行くまでの動作
- トイレまでの距離
この2つが不安になり、トイレへ行きそびれてしまう方もいらっしゃれば、ガマンばかりして膀胱炎になってしまう方もいらっしゃいます。
トイレをご自身の部屋の近くに増設すれば、こうした不安を減らすことができます。何よりカラダへの負担が減ります。
2: トイレの増設で注意するポイント
トイレの増設で注意しておきたいポイントを紹介します。
(1)増設の方法
トイレの増設方法には、大きく分けて2つの方法があります。
[1]既存スペースへ増設
おおよそ0.5~1畳ほどのスペースがあればトイレを増設できます。手すりなども一緒に設置する場合は、もう少し広い方が使い勝手が高くなります。
必要なのは使い方に適した広さのある「未使用スペース」を自宅から見つけることです。例えば、押入れやクローゼットはトイレにリフォームしやすいスペースです。
また、階段の踊り場も利用されることが多い場所です。
[2]新設する
今の家の間取りは変えずに、トイレの分を増築する方法もあります。
増築の場合、新しく給水と配管を引き込むことになりますので、比較的制限が少なく設置できるというメリットがあります。
(2)どこに増設するか
代表的な場所があります。
[1]押入れやクローゼット
高齢者の方のお部屋に押入れやクローゼットがあるのなら、そこをトイレにリフォームすることができます。
この場所はトイレ増設には一般的な場所です。広さも十分なので快適に活用できます。
押入れやクローゼットのトイレリフォームで注意したいのは、床の強度不足と配管設備の変更です。
この2つをクリアできれば使い勝手の良いトイレが出来上がります。
[2]廊下や階段
廊下の突き当たりや、階段の踊り場にトイレを増設される方もいらっしゃいます。二世帯住宅で主に二階をお子さん世帯が使っておられるご家庭では、二階の廊下や階段の踊り場付近に2つ目のトイレを増設されるケースが増えています。
(3)増設するときの注意点
先ほども少しふれましたが、次の2点が注意したいポイントです。
- 床の強度
- 配管の引き込み
床の強度不足は安全面で問題になります。かならず強度を高めてからリフォームしておきたいですね。
トイレを増設する場所が、既存の配管より遠いと防水工事や水圧調整の工事が必要になります。また、距離が長いほど費用も高くなっていきます。
(4)既存トイレとの位置関係
既存トイレと増設するトイレの位置関係を考えましょう。
できるだけ近い場所にある方が、工事費用を抑えられます。
(5)トイレのタイプ
今から増設される場合なら、洋式トイレをおすすめします。カラダへの負担も少ないですし、介助や介護が必要になったときでも使いやすいです。
(6)扉の種類
トイレ空間が限られている場合、扉は引き戸がおすすめです。
できるだけトイレの中の空間を広く取るように考えましょう。
(7)寝室との関係
就寝してからトイレに何度か行く方は、トイレで不安になる原因を解消できます。
できるだけ、トイレの場所と寝室の場所を近くにしておくと安心です。
(8)音や臭いへの配慮
壁の厚さや防音材などを検討しておきましょう。ちょっとしたことですが、使い勝手が変わってきます。
3: トイレを増設できない理由
トイレを増設できないこともあります。
(1)配管や構造
既存の配管や住宅の構造によってはトイレを増設できないこともあります。トイレの増設リフォームの前に、増設できる状態なのか確認しておく必要があります。
無理に増設しても、不便な場所へ増設してしまい、誰も使わないこともあります。
(2)水圧
水圧の問題もあります。水圧が低い場合、タンクレスタイプのトイレはおすすめできません。一般的なタンクに水を溜めて流すタイプを選びましょう。
どうしても既存の配管の問題で水圧が足りない場合は、増設する場所を再検討してください。トイレでの「流れにくい」は、せっかく増設しても使えない原因になります。
4: まとめ
トイレの増設は、ライフスタイルによって発生する困ったことや心配を軽減してくれます。
特に朝の渋滞、早朝や深夜の利用。この2つの不安や心配を解消できるだけでも、快適な暮らしを続けることができます。
トイレに関するお困り事があるのなら、増設リフォームを検討してみてください。