玄関ドアを引き戸へリフォーム!メリットとデメリットと注意点
昭和の住宅に取り付けられている玄関のドア。防犯面から見ても隙があるので不安をお持ちの方もいらっしゃいます。
また、高齢になってくると、玄関ドアが使いにくく感じるという方もいらっしゃいます。子育て世代の方が中古住宅を購入されている場合、玄関ドアになっていることで、ベビーカーの出し入れが難しい。こんなこともあります。
玄関ドアの使い勝手が面倒に感じると、人間とは不思議なもので外出するのも面倒に感じるようです。
でも、本当は気持ちよく、安心して外出したいですよね?もし、あなたが玄関ドアで悩んでおられるのなら、玄関ドアを引き戸へリフォームしてみてはいかがでしょうか?
今回は、玄関ドアを引き戸へリフォームするメリットとデメリット。そして注意点をご紹介します。
Contents
1: 玄関引き戸の種類を知っておきましょう
玄関を引き戸にする場合ですが、一般的なタイプだけではなく、ご自身のライフスタイルや住宅のイメージに合わせて、4つの種類から選べることを知ってください。
(1)引き違い
まず、玄関引き戸の中でもオーソドックスなタイプ「引き違い」になっている扉です。
2枚の扉を左右のどちらからでも開け閉めできるスタイルです。右側だけ、左側だけという使い方ではないので、玄関内のレイアウトに合わせて使い勝手を変えられます。
そして、オーソドックスなタイプのため、デザインや色なども豊富。あなたのセンスに合ったものを選びやすくなっています。
(2)片開き
2枚の扉のうち、左右のどちらかだけを開閉するスタイルです。玄関内のレイアウトが決まっている場合におすすめです。
(3)複数枚の片開き
左右どちらかだけを開閉するのですが、開閉する扉が2枚から3枚で構成されているスタイルです。
2枚から3枚の扉が連動して開閉しますので、開け閉めに手間はありません。2枚の片開きよりも開口部が広くなりますので、ベビーカーや車椅子も使いやすくなります。
(4)両引込み
2枚の扉を左右の壁側へ引き込んで大きく開けられるスタイルです。昭和の住宅の中でも大きなお家に多いタイプです。
開口部が広いのでベビーカーでも車椅子でも安心して使えます。
現在の一般的な戸建て住宅の場合、両引込みタイプは候補に挙がってきにくいと思います。なぜなら、このタイプは純和風のお家には似合いますが、洋風のお家には難しい選択だと思うからです。
そのため、現在の戸建て住宅なら
- 引き違い
- 片開き
- 2枚~3枚の片開き
これら3つのスタイルから選ぶことになると思います。
それぞれ、扉のデザインが豊富なのと、住宅の壁や玄関まわりの色に合うものが選びやすくなっています。
2: 玄関をドアから引き戸へリフォームするメリット
玄関ドアを引き戸へリフォームすると、次のようなメリットを感じることができます。
(1)開口部が広い
一番にメリットとして感じられるのが、玄関の開口部が広くなることです。
ベビーカーの出入りも、車椅子の出入りにも便利です。高齢で杖を使って外出される方も、玄関が広いので壁にぶつかることや、杖が当たって歩きにくいということが減ります。
また、引き戸はドアとは違い、開閉時間が長いため余裕を持って出入りできます。ドアだと開けてから外に出るまでの間に、ゆっくりと閉まってきて挟まりそうになる。こういうことも起こりますが、引き戸だと起こりにくいです。
(2)玄関まわりを広く使える
ドアは内側または外側に開くだけのスペースが必要になります。そのため玄関まわりが広そうに見えても、ドアが動く範囲は使えないのが実情。
しかし引き戸だと、玄関の内側にも外側にも開閉させるスペースが必要ないので、最大限広くスペースを使えます。
(3)ケガの原因を減らせる
玄関ドアで多いのが、指や足の先を挟んでしまうこと。引き戸でもこうしたケガの原因をゼロにすることはできませんが、ドアよりも減らすことはできます。
高齢の方、小さなお子さんがいらっしゃるご家族にはメリットになります。
(4)玄関が明るくなる
玄関ドアも光を取り入れる工夫がされています。しかし引き戸ほど多くの光を玄関内に取り込むことはできません。
玄関に陽射しが入ってくると、明るくなり気分も上がります。
(5)風通しがいい
引き戸はドアとは違い、開けておく幅を簡単に調整できます。そのため、玄関の風通しを良くできます。
虫の侵入が不安なかたは、引き戸専用の網戸を設置することで、広く開けておくことができますので、家全体の風通しも良く出来ます。
(6)大型家具などの買い物も安心
ご家庭によって違いはありますが、大型家具や大型家電を購入されたとき、搬入がラクになるのも引き戸のメリットです。
ドアだと開口部が狭いため搬入できず、ベランダなどからリビングを通して搬入することもありますが、こういった面倒なことが起こりにくくなります。
3: 玄関をドアから引き戸へリフォームするデメリット
玄関ドアを引き戸へリフォームするとデメリットに感じる部分も出てきます。
(1)気密性が下がる
どうしてもドアと比較すると、開閉時間が長くなってしまうのが引き戸。そのため玄関内や住宅内の気密性が下がってしまうこともあります。
(2)デザインの好みがわかれる
引き戸にもデザインや色が増えていますが、引き戸の印象が古くさいと感じられる方もいらっしゃいます。
使い勝手よりもデザインで好みがわかれるのが、引き戸のデメリットだと言えます。
(3)玄関の横に余裕が必要
引き戸は、左右のどちらかに(または両方に)扉を移動させられるだけの余裕がないといけません。
一般的には引き戸の横の壁に、扉と同じか、少し広めの幅があるのかどうか。ここがポイントになってきます。
玄関横の壁に余裕がない住宅の場合、予め確認しておかないと引き戸へのリフォームはデメリットになります。
壁の余裕が少ないかな?と感じられた方は、事前にリフォーム業者に引き戸へリフォームできるのか確認してもらってください。
4: ドアから引き戸へリフォームするときの注意点
(1)玄関全体でリフォームを考える
玄関ドアを引き戸へリフォームされる場合、扉の部分だけではなく玄関全体でリフォームを検討してください。
扉部分だけをリフォームするよりも、より使い勝手が向上します。例えば、引き戸へリフォームするなら、玄関の収納スペースを増やすこともできるでしょう。ベビーカーを置きやすくする工夫もできます。
車椅子を使われる方なら、玄関の段差を一緒に解消しておくほうが楽しく暮らせます。手すりなどの設置も同じです。
(2)ドアの間口をしっかり確認
先ほどもお話しましたが、ドアの間口を確認してください。10年くらい前に建築された住宅なら、2枚の引き違いを設置できるだけの間口はあります。ただ、住宅デザインによって壁の部分が狭くなっていることがあります。
壁の部分を壊して工事をするのかどうかによって、工事費用が変わってきます。壁を壊さないカバー工法という方法もあります。
(3)防犯性能
引き戸の防犯性能は低くみられることがあります。しかし、最近の引き戸は防犯性能が高くなっています。
引き戸のガラス部分を壊して、腕を差し込み解錠しようとしても、開けられなくなっているものもあります。
ご自身のライフスタイルに合った防犯性能を持った引き戸を選んでください。引き戸だから安心できない。そんなことはありません。ご安心ください。
5: まとめ
玄関ドアを引き戸へリフォームされた場合のメリット、デメリット、そして注意点をお話しました。
玄関の出入りにもう少し余裕がほしいという方なら、引き戸へのリフォームをご検討ください。ドアとは違った余裕をもって出入りできますから、外出するのが楽しくなります。