二世帯住宅の価格相場は?少しでもお金の負担が少なく快適に暮らす方法
二世帯住宅で暮らしたい。
そのため具体的に検討されている親世帯、子世帯の方がいらっしゃいます。
でも、まわりに二世帯住宅の人が多くないため、お金の負担がどれくらいなのかわかりづらいと思います。
そこで今回は、二世帯住宅を新築で購入した場合の価格相場から、少しでもお金の負担を少なくしつつ、快適に暮らすポイントや方法についてご紹介していきます。
1: 二世帯住宅の価格相場とは
二世帯住宅には、次の3つのタイプがあります。
(1)完全分離タイプ
(2)部分共有タイプ
(3)完全同居タイプ
それぞれにメリットやデメリットがあります。詳しいタイプ別のメリットやデメリットについては価格相場の後にお話します。
まず、あなたが気になる二世帯住宅を新築で購入した場合の相場ですが、一般的な新築住宅の1.5倍~1.8倍になります。
例えば、30坪の戸建てを購入する場合、地域にもよりますが概ね、3000万円~4000万円。
同じ坪数で二世帯住宅にすると1.5倍~1.8倍ですから、もっとも低く見積もっても
3000万円 × 1.5倍 = 4500万円
このようになります。ただ、この計算は「完全分離タイプ」のケースですので、浴室やキッチン、トイレなどに必要となる設備が1つで済むタイプである
- 部分共有タイプ
- 完全共有タイプ
ですと、設備費や水まわりの工事費が少なくなることが多いです。
二世帯住宅の場合、部屋数も多いですし、何といっても設備が2倍必要なのかどうかで大きく変わってきます。
このように、住宅価格へ直接影響を与える設備や間取りを意識しつつ、それぞれのタイプの特性も理解しておいてください。
(1)完全分離タイプ
一つの住宅の中に、二世帯の住居が入っている状態です。
マンションと同じような感覚と思っていただくのが良いでしょう。
このタイプは、玄関からキッチン、浴室、リビングなど、すべての部分をそれぞれの世帯用に準備します。
そのため、単純に考えて設備費用は2倍になります。
また、間取りに関しても、限りある建坪の中に二世帯の住居を作りますので、リビングやダイニングなどが小さくなることが多いです。
ただ、完全分離タイプは、お互いの生活スタイルを守りやすいため、もっともストレスが少ないのが利点です。
(2)部分共有タイプ
玄関やキッチン、リビングなどを共有し、それ以外は別々で使用するようにしておくタイプです。
完全分離タイプよりも、共有する部分が増えるため費用は若干抑えられます。
ただし、どの部分を共有にするのかで費用が変わってきますので、玄関だけなら大きな違いは出ないかもしれません。
部分共有タイプは、完全分離タイプと比較すると費用を抑えられますが、その分、一緒にいる時間が増えるので価値観や生活スタイルが大きく違っているとストレスを溜める原因になりやすいです。
人は、一度気になると小さな事も気になりイライラしますので、お互いの世帯で共通している部分が多いなら選んでもらいたいタイプです。
(3)完全同居タイプ
戸建てを完全共有しますので、費用も圧倒的に低くなります。
もっとも費用が必要な設備が1世帯分でOKですし、水まわりの工事も1世帯分で済みますから、おのずと費用も下がっていきます。
完全同居タイプは、このように住宅価格という面では大変優れた選択肢です。しかし、暮らしという視点で考えると、お互いの世帯が配慮しあえる関係性でないと、なかなか快適に暮らすことは難しいのが事実です。
特に、最近は生活スタイルや価値観も多様化していますから、親世帯と子世帯で意見が一致しないことも増えてきます。
偶然にも、親世帯と子世帯が仲良く「親友」のような関係性を維持できそうなら、完全同居タイプは価格面からもお得な二世帯住宅だと言えるでしょう。
2: 二世帯住宅を選ぶメリット
二世帯住宅を選ぶ場合、次のようなメリットがあります。
(1)育児の協力
育児世代の方には、近くに(隣に)面倒を見てくれる親世帯が居るのは大変心強いはず。
特に、急に保育園へ行けないときや、長期の休園になったときなど、近くに信頼できる人が居ると生活の中にも余裕が生まれます。
(2)介護のサポート
親世帯が気になる「介護」。
二世帯住宅なら、介護(介助)のために電車やタクシー、バスを使って移動する必要がありません。
いつでも「となり」に行くだけですから、介護の負担もかなり軽減されます。
また、親世帯も近くに子世帯がいることで、安心できることも増えますから、無理をしてケガすることも減っていくでしょう。
(3)生活サポート
生活サポートには、いろいろなことが含まれています。
その中でも「光熱費」に関するサポートや、生活費に関するサポートは大きなメリットだと言えます。
別々の家で光熱費を払うよりも、費用も低くなりますし、経済状況が激変した場合でも、生活費のサポートをお互いにしあうこともできます。
(4)費用サポート
住宅購入するときの費用は、大きな負担になります。
また、勤めている会社の業績が悪化した場合など、長期ローンをどうやって完済するのか、胃が痛くなるようなストレスを覚えることになります。
しかし二世帯住宅なら、お互いに助け合える関係があります。
また、住宅費用の支払いに関しても、50%ずつ負担することもできるでしょう。
3: 二世帯住宅を選ぶデメリット
二世帯住宅にはデメリットもあります。
(1)生活習慣の違い
これがもっとも難しいことです。
お互いに生活習慣が違うため、イライラすることもあります。
特に共有部分を使う上で起こる習慣の違いは、「まぁ、いいか」と思えないことばかり。
広い心で対応できるか、完全分離タイプを検討しましょう。
(2)騒音
二世帯住宅の場合、騒音問題が浮上することもあります。
例えば、1階に親世帯の寝室がある。
そして親世帯の寝室の上が、子供部屋だった場合。
親世帯が寝ている時間、子供部屋ではゲームをやっていることもあるはずです。
小さな音漏れも、気になり出すと止まりません。
4: 価格を低く二世帯で暮らす方法
二世帯住宅を新築すると、思っている以上に費用がかかります。
そこで、おすすめなのが「二世帯住宅へのリフォーム」です。
親世帯が住んでいる住宅をリフォームすれば、完全分離タイプでも1000万円前後で生まれ変わります。
少し凝った作りや、設備にこだわったとしても1200万円~1400万円前後で二世帯住宅へリフォームできることが多いため、新築購入より費用を抑えることができるでしょう。
特に二世帯住宅で暮らしやすい「完全分離タイプ」を選ぶ場合、リフォームの方が予算も抑えやすいので、まずは「リフォーム」から検討されることをおすすめします。
5: まとめ
二世帯住宅を検討されるとき、まずはリフォームから検討してみてください。
特に先行きのわからない経済状況のときこそ、費用面をどのように抑えつつ、将来も快適に暮らせるのかは大切なポイントになってきます。
リフォームを検討してからでも、新築購入を考えることはできます。