和室の押入れをクローゼットへリフォーム!気になるポイントを紹介します
築20年を超えるお住まいの方から相談されることで多いのが、和室の押入れの使いにくさです。
新築当初から長く使われてきた和室ですが、築年数が経過するとどうしても畳や襖の痛みも目立ってきます。さらにご家族の構成も変化していることが多いため、収納が足りなくなり和室の押入れを使おうと思ったけれど、今の洋服が上手く入らないという悩みが出てくることも多いようです。
そこで今回は、室内リフォームも得意なアップクラフトが、和室の押入れを使いやすい今風のクローゼットへリフォームするポイントについてご紹介していきます。
Contents
1: 和室の押入れをクローゼットへリフォームするポイント
和室の押入れをクローゼットへリフォームするとき、簡単に出来そうに見えますが次の3つのポイントを知っておく必要があります。
(1)荷物の重さ
和室の押入れって、基本的に重い物を長期間収納するように考えられていないことが多いです。
一般的には、布団や座布団の収納を考えていることが多いですね。
でも、押入れをクローゼットにリフォームすると、コートやジャケットなど重さのある洋服などを長期間保管することになるため、布団や座布団よりも床部分への負担が大きくなることがあります。
重い物を収納したからと言って、必ず床が抜けるということはありませんが、布団や座布団だけの収納を考えているような薄い床板では安心できないのも事実です。
クローゼットに、どういう洋服や荷物を入れるのかを考え、想定する重さが増えるかどうかを把握しておきましょう。
(2)湿気
和室の押入れには襖があります。そのため、普段も通気性が良いので湿気対策も出来ていることが多いです。
しかし、クローゼットへリフォームすると部屋と収納を区切る部分は襖ではなく扉に変わります。また、押入れの内側もクロスを張ることが多いです。
そのため、和室の押入れからクローゼットへリフォームすると通気性が変化し、湿気対策を意識しておく必要が出てきます。
扉をルーバー式のものにして通気性をアップする。内装に調湿建材を使用する。
こういった「ひと工夫」が必要になります。
(3)木造なら床の構造
荷物の重さでもふれましたが木造建築のお家の場合、床の構造そのものが重い荷物を長期間収納するのに向いていないこともあります。
構造に関しては専門家にチェックしてもらい、床に使われている材料や工法から想定している荷物を安全に収納できるだけの強度があるのか診断してもらいましょう。
見た目だけカッコイイ「クローゼット」になっていても、安心安全に使えないのでは、お金を使ってリフォームする意味がありません。
2: 和室の押入れをクローゼットへリフォームする費用相場
それでは、みなさん気になる費用相場についてお話していきます。
和室の押入れをクローゼットへ変化させるためには、次のような作業が必要になり、それぞれに費用がかかってきます。
(1)まずは解体
リフォーム対象になっている押入れを解体することから始めます。
棚板や床板、鴨居などを解体撤去します。また、襖も取り払い廃材として処分することになります。
複雑な作りになっていない和室の押入れですと、解体撤去と廃材の処分を合わせて、おおむね4万円~6万円くらいです。
(2)必要なら補強
床の構造や押入れ内部の構造に補強が必要な場合。また、使いやすくするためにハンガーパイプの取り付けや棚の設置を行うことがあります。
材料費と工事費を合わせて、おおむね3万円~5万円くらいです。
(3)使いやすい建具
建具の取り付けは、どういった仕様や材質のものを使うかで費用が大きく変わります。
工事費用は、おおむね3万円くらいですが、建具の費用は幅が広いです。
ご予算に合わせて選んでください。
(4)楽しく使うなら内装
クローゼットの扉を開けたとき、わくわくしたいですよね。
そのためには、天井や床、壁にクロスを張るのがおすすめです。
クロスも材料や機能によって費用が変わりますので、ご予算と性能で選んでください。
工事費用としては、おおむね5万円くらいです。
(5)こだわりと工夫の費用も考えておこう
せっかくクローゼットを作るなら、中が見やすいようにLEDの電気を付けておくとか、洋服を出しやすいハンガーを用意するとか、こだわっておきたいこともあると思います。
自分たちの生活パターンを見直すことで、どういった部分にこだわりたいのかが明確になってきます。
こだわりたい部分を見つけて、費用に余裕を持たせておきましょう。きっと、後から使い勝手や楽しさが違います。
3: 和室の押入れをリフォームするときの注意点
クローゼットへリフォームするときには、次のことに注意しておきましょう。
(1)クローゼットの役割
クローゼットの多くは、洋服を掛けるためのハンガーパイプが備わっています。そのため、洋服を掛けておくことができるのでシワになることを防げます。
ただし、和室の押入れをクローゼットにした場合、クローゼットの奥行きが足りないこともあります。そうすると余裕をもって洋服が掛けられないので、結局は使わない荷物を入れておくだけのスペースになることもあります。
クローゼット本来の役割が満たせるかどうか注意しておきましょう。
(2)使いやすくて快適な空間に必要な広さ
押入れをクローゼットにする場合、奥行きは最低でも50cm以上必要になります。というのも、洋服のハンガーの多くが50cmの幅だからです。
快適なクローゼットにするなら、奥行き60cmは欲しいところです。
4: 和室のリフォームで考えておきたいこと
(1)洗濯物
洗濯物を室内へ取り込んで畳むとき、洋室よりも和室の方が使い勝手が良いという方もいらっしゃいます。
これは好き好きなので、和室か洋室かどちらが良いとは言えませんが、洋室の床はホコリが気になるという場合は、和室を1間は置いておかれるのがおすすめです。
(2)リラックス
ゴロンと寝ころんでくつろぎたいとき、洋室よりも畳のある和室が落ち着くという方も多いと思います。
リラックスする空間はやっぱり欲しい。そういう方は、和室を置いておきましょう。
(3)お子さん
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭には、畳の和室があると大変便利です。
急にお昼寝しても安心ですし、遊んでいるときにコロンでも安心です。
(4)高齢者=和室ではありません
高齢者の方には和室が一番。こういう考え方もありますが、生活の楽さを考えると洋室の方が楽なことも多いです。
高齢者の方がメインで使われる空間こそ、洋室へのリフォームを検討しましょう。特に押入れへの布団の上げ下ろしは負担になりますので、洋室でベッドの方が快適かもしれません。
5: まとめ
和室の押入れをクローゼットへリフォームすることで、洋服などの収納が簡単で楽になることでしょう。
しかし、今回お話しましたように、床の強度や押入れの奥行きなどによってはリフォームしても使いやすくならないこともあります。
まずはリフォームの専門家に、あなたのお家の押入れをチェックしてもらってください。