リフォームで二世帯住宅!?失敗しないポイントを紹介
義理の両親から、二世帯住宅にリフォームするような話が出てくることがあります。多くの場合、今建っている義理の両親の家の2階を好きなようにリフォームしてもいい、という話になっていると思います。
このような提案が出てくると、気持ちとしては穏やかではいられません。あれこれ未来のことを考えて不安になってしまう。そんな方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回はリフォームで二世帯住宅にする場合、やってしまってから「失敗した!」「こんなはずじゃなかったのに!」「もう、最悪~」とならないためのポイントを紹介していきます。
Contents
1: リフォームで二世帯住宅を検討する理由
住宅リフォームで二世帯住宅を検討されるとき、かなり具体的な案として話が出てくるご家族では、次のような理由があることが多いです。
(1)高齢になった親世代の介護
親世代が高齢になってくると直面するのが「介護」の問題でしょう。
食事や洗濯、掃除はもとより、買い物や病院への通院、ちょっと高い場所にある物を取り出すときなど、できるだけ健康的な生活を続けるためには誰かのサポートが必要になります。
このようなサポートを、親世代と離れて暮らす子世代が毎週末のたびに家に行って手伝うとなると、体力的にも金銭的にも、休むことがなくなるので精神的にもつらい状態になってしまいます。
また親世代としても、もしものとき、近くに気兼ねなくサポートを頼める人がいないのが不安となっていることも事実です。
このような「介護」「サポート」の問題を解決するために二世帯リフォームを検討している方もいらっしゃいます。
(2)経済的なサポート
今すぐに経済的に何かが起こるということではなく、近い将来、経済的なサポートが期待できた方が安心して暮らせるというのも検討の理由のひとつです。
二世帯住宅にすると、居住費や光熱費、食費などが間取りや暮らし方によって抑えられる可能性が出てきます。
(3)にぎやかに暮らしたい
これは人によって様々ですが、残りの人生をにぎやかに暮らしたいという方もいらっしゃいます。
自分の子供や孫と一緒に語らいながらにぎやかに暮らすことで、生き生きとして健康な状態で楽しく過ごしたい。そんな理由で検討される人もいらっしゃいます。
二世帯へのリフォームは人によって様々な検討理由があります。どの理由が正しくて、どの理由が正しくないということはありません。
大切なのは二世帯住宅へのリフォームを検討するとき、検討している人だけが得するような理由で話を進めないことです。
お互いが適度な距離を保ちつつ、快適に暮らせることを一番に考えて検討していただきたいと思います。
2: リフォームの二世帯住宅にはこんなメリットがある
それでは二世帯住宅へリフォームした場合、手に入るメリットを見ていきましょう。
(1)介護しやすい
メリットの一番目は、検討理由にも出てきましたが「介護」が関係しています。
同じ住宅に親世代と子世代が住んでいますので、長距離を移動することもなく、扉一枚移動するだけですぐに介護することができます。
また、親世代としても扉一枚隔てたところにサポートを頼みやすい人が住んでいるのですから、精神的に安心を得ることもできるでしょう。
(2)子供の面倒を見てもらいやすい
子世代からすると、急な子供の体調変化により保育園が受け入れてくれないような場合でも、安心して親世代に預けておくことができます。
仕事と育児を両立されている方なら、仕事中は親世代が面倒を見てくれているので安心して仕事に打ち込むこともできるでしょう。
昨今流行している新型肺炎による「小中学校の休学」という驚くような話が飛びだしたりしても、二世帯住宅へリフォームしていれば、子世代は仕事へ、お子さんは親世代に見ておいてもらうことができます。
(3)経済面でのサポートが受けやすい
親世代も子世代も同じですが、別々の家に住んでいるよりも共有できることが増えてくるので経済面でのサポートがお互いに受けやすくなるでしょう。
- 光熱費
- 食費
- 住居費
- ガレージ代
今の時代なら光回線の契約費も節約することができるかもしれません。
3: リフォームの二世帯住宅にはこんなデメリットも
(1)プライバシー
二世帯住宅で一番気になることであり、トラブルの原因にもなりやすいのが「プライバシー」です。
共有部分以外にもプライベート空間はありますが、間取りによっては共有部分が多くなり、自分たちのライフスタイルを続けにくくなるケースもございます。
そして多くの場合、共有部分を広く多くとりたいのは親世代の希望、できるだけ別々の状態にしておきたいと希望するのは子世代であるというお決まりの話もあります。
プライバシーをどこまで守るのか。ライフスタイルをどこまで守るのか。
そして、これらのどこまで守れれば快適に暮らせるのかを考えておきたいですね。
(2)子育ての方針
地味な話ですが、子世代がやっている子育て方針を巡ってトラブルになることもあります。
親世代と子世代では大きくなった時代背景も違いますし、教育や勉強に対しての考え方も違っています。
そのため二世帯住宅で住み始めてから、「おまえたちの子育てはなんなんだ!」「おじいちゃん、おばあちゃんのときとは時代が違うんだから!」というような、価値観における不一致が起こりますと、論理的な原因や理由ではありませんので感情論や根性論へ発展し収拾できないこともあります。
特に義理の親御さんの場合、これまでの生活スタイルや教育への考え方が違っていますので、どちらかが折れるまで険悪な状態が続くケースも出てきます。
(3)リフォームコスト
二世帯住宅へリフォームするとき、一般的には建て替えよりも安くなる傾向にあります。
ただし、今住んでいるお家の状態によっては、補強や補修を行わないといけないこともありますので、思っている以上のコストが必要になることもあります。
二世帯住宅へのリフォームを考えるときには、住宅の状態を専門家に診断してもらいましょう。
4: リフォームの二世帯住宅で注意するポイント
二世帯住宅へのリフォームで失敗しないためには、次のポイントに注意して検討してください。
(1)ライフスタイルの違い
親世代、子世代、それぞれのライフスタイルが存在します。これはどちらが良いか悪いかという話ではなく、自分たち家族の中で心地いいと感じている結果が現れているだけです。
ですから、どちらかのライフスタイルに統一することはナンセンスです。統一できたとしても、それは表面上「仕方がないからあわせている」だけで、心の底から喜んでいるのではありません。
ライフスタイルの違いをお互いに認めましょう。そして違いを考慮した間取りを考えることが重要です。
共有部分を増やした方がライフスタイルに合うのか。もしものとき以外は完全分離の方が合うのか。お互いの思い入れや感情ではなく、ライフスタイルから検討してもらいたいと思います。
(2)光熱費
二世帯住宅でトラブルになりやすいのが光熱費です。
親世代はそんなに使っていないのに、子世代が多く使うという話もあれば、当然ですが逆もあります。
このような「お金」に関する問題は親子関係でも良い結果を生み出すことはありません。
できることなら、光熱費は別々に支払う方向で考えておきたいところです。
(3)キッチンやトイレ、お風呂(洗面)
どれもデリケートなゾーンです。
そして、プライバシーを守りたいゾーンです。
これもリフォームコストやお家の構造上の問題がクリアできるのなら、別々にしておく方がトラブルになりません。
こういったゾーンは、使い方の違いからくるストレスもあれば、使う時間帯の違いからストレスが生まれることもあります。
見たくないこと、見せたくないことがあるゾーンは別々にできないか検討しておくと安心です。
5: リフォームで二世帯住宅にするなら業者選びも肝心です
単に「リフォーム」という視点だけで考えるのなら、世の中にリフォーム業者がたくさんいらっしゃいます。
しかし「二世帯住宅へのリフォーム」となると、二世帯住宅特有のメリットデメリットを理解し、親世代と子世代の両方の意見を聞きだしコーディネートする人間力もリフォーム技術と同じくらい必要になってきます。
ですから、二世帯住宅へのリフォーム経験があるのかどうかをチェックした上で、2~3社に同じ条件を伝えて見積もりをしてもらいましょう。
あわせて、住宅診断や地域におけるリフォーム上のルールも教えてもらっておくと良いでしょう。
6: まとめ
リフォームで二世帯住宅にするとき、失敗しないために役立つポイントを紹介しました。
今回の内容を参考にしていただき、お互いのライフスタイルを尊重しつつ、もしものときには軽やかに助け合える二世帯住宅へリフォームしていただければ幸いです。