一軒家を二世帯にリフォーム!費用とポイントとメリットデメリットを解説します
すでに一軒家を所有されている場合、経済的な状況やカラダのことを思うと、今後の暮らしの安心安全を考えたとき「二世帯にリフォーム」してはどうか、という話が出てくることでしょう。
特に令和2年に起こっているような、災害とも言える状況になってくると、収入や医療の先行きが見えづらくなるため、信頼できる家族が同じ場所で助け合いながら暮らすという方法が見直されていくのではないかと思います。
そこで今回は、一軒家を二世帯にリフォームするとき、気になる費用や注意するポイント、メリットやデメリットについて二世帯住宅へのリフォームを専門としているアップクラフトが、これまでの経験から学んだことを解説していきます。
Contents
1: 一軒家を二世帯にリフォームするメリットデメリット
はじめに、一軒家を二世帯にリフォームすることで、どのようなメリットやデメリットが出てくるのかをお話します。
メリット
(1)リフォーム費用を抑える効果
親世帯が住んでいる一軒家がある場合、別の子世帯が新築住宅を購入するとなると、住宅と土地が必要になり簡単に1000万円以上の費用が必要になってきます。
また、親世帯がカラダの不自由を感じる前にリフォームしようと考えたとき、二人暮らしのためだけに費用をかけるとなると「もったいないかな」と感じてしまうものです。
しかし、二世帯にリフォームすると、子世帯は新しく住宅や土地を購入する必要がなくなります。また、親世帯としても、一緒に暮らす人が増えるのなら、リフォームを具体的に考えてもいいかと思えるものです。
そして、親世帯も子世帯も、どちらから考えても1世帯が負担する費用を抑えることができます。
リフォームプランによっては、子世帯が新築を購入する費用以下で、二世帯へリフォームすることも可能ですから、親世帯が考えていたリフォーム費用がまるまる浮くということもあります。
(2)生活費を抑える効果
水道光熱費は毎月の生活で固定的に発生する費用です。この費用を二世帯にすると、エコキュートなどの設備を導入することで全体的な費用を抑えることもできるでしょう。
(3)お子さんのサポート
子世帯にとって急な休校や休園、お子さんの病気などが起こったとき、共働き世帯の場合どうしようもない状態になってしまいます。
でも、二世帯住宅になっていると、急な状況でも親世帯のサポートを得ながら、安心して暮らしを続けることができます。
(4)親へのサポート
親世帯によるケガや病気は、当然のことなので予測できません。しかし二世帯住宅になっていると、近すぎず遠すぎない距離で見守ることが出来るでしょう。
毎日「どうしているかな?」と子世帯が心配する必要もなくなります。
デメリット
(1)プライバシー
お互いの世帯が共有するスペースを増やすと、プライバシーの問題が出てきます。
共有スペースがあることは、お互いの状況を知れる機会なのでプラス面もありますが、常に別の世帯の人が居ることに慣れていないと、ゆっくりとリラックスできないこともあります。
(2)価値観
世帯が違うということは、少なからず価値観が違っているはずです。
これは、各々の世帯が独立したときから、生活スタイルや生活リズム、生活への考え方が変化し、お互いの世帯にとっては心地よい状態を作り出しているからです。
しかし二世帯にすると、違った価値観を持つ世帯が同じ場所で暮らすのですから、小さなストレスが積み重なる可能性もあります。
また、どうしても許せないことが出てくるかもしれません。
(3)相続
一軒家を二世帯にする場合、両親の名義になっている一軒家を誰が受け継ぐのかで問題になることがあります。
兄弟姉妹がいらっしゃる場合は、二世帯を検討するときには相続も視野に入れておきましょう。
2: 一軒家を二世帯にリフォームするときの注意点
次にお話する注意点を最初に押さえておきましょう。
(1)工事前の話し合い
二世帯住宅へのリフォームを検討されている場合、絶対にやってはいけないのが、どちらかの世帯だけで決めてしまうことです。
親世帯だけで「二世帯にするから、子世帯に住んでほしい」という要望や、子世帯だけで「二世帯にして、一緒に住もう」という要望はいけません。
どちらかの要望だけで二世帯にすると、必ずと言っても良いくらい大きなストレスが起こりやすくなります。
例えば次のようなイライラが起こりやすいものです。
- 光熱費を半分ずつ負担するのが納得いかない
- 来客が多いので家でゆっくりできない
- リビングでダラダラできない
- 生活リズムが違うので夜眠れない、朝ゆっくり眠れない
こういったことを工事前に必ず話し合い、どの部分は許容できるのかを具体的にしておくことが大切です。
具体的に無理なところがわかっていると、リフォームの間取りを考えるときに解決策を取り入れることができますのでストレスも軽減できます。
(2)建物や敷地のルール違反
建坪率や容積率というものが住宅にはあります。
そのため自分の敷地だからといって、好きなだけ増築して二世帯にすることはできません。
また、最近では住宅の耐震性などのルールもパスしないといけませんので、二世帯を考えておられる場合は、まず建物の診断を行っておかれることをおすすめします。
(3)業者選び
リフォームに関して、業者選びは成功するかどうかの大きなポイントになります。
というのも、最近ではリフォームを行うところが昔よりも増えています。
- リフォーム専門店
- 工務店
- ホームセンター
- 大手家電販売店
いろいろなところでリフォームの受付をやっています。こういった中から選ぶことになるのですが、二世帯へのリフォームを成功させるなら
「二世帯リフォーム」の専門店へ相談されるのが一番です。
二世帯リフォームは、言葉だけなら一般的なリフォームと同じように感じられますが、実際には別々の世帯が一つの住宅で暮らせるようにするため、リフォームの技術力だけではなく、間取りのアイデアや世帯同士の価値観などを聞き出す人間力も重要なのです。
こういった技術は、二世帯住宅へのリフォームを専門に行ってきた人間にしかポイントがわかりません。
3: 一軒家を二世帯にリフォームする場合の費用相場と出来ること
(1)部屋の増築
すでにある場所を部屋へ増築する場合なら、30万円~60万円くらいでリフォームすることも可能です。
お互いの世帯が多くのスペースを共有し、親世帯のために一部屋増築しようというケースですね。
(2)水まわりの増築
玄関やリビングを共有にし、
- キッチン
- 浴室
- 洗面
- トイレ
など、プライバシーの強い水まわりを増築する場合ですと、平均的に350万円~400万円くらいが目安と言われています。
部分共有と呼ばれる間取りです。
(3)玄関を世帯別に
こちらも部分共有の一例です。
多くの部分を共有にし、玄関だけ世帯別にするケースです。
これですと、30万円~40万円くらいでリフォーム可能でしょう。
玄関を世帯別にする方法は、生活リズムを守りやすくなりますので、低費用での二世帯を考えておられるならおすすめです。
(4)完全分離のリフォーム
一軒家の中に、世帯別の空間を作る方法です。
お互いの世帯をつなげるのは階段や廊下だけで、基本的な生活空間は別々になっているので、ストレスもかなり軽減します。
このような方法を「完全分離」と呼びます。
完全分離は、水まわりや玄関、リビングなどが2つ必要になるため費用も相応に高くなります。
一般的には、1000万円~1200万円が目安と言われています。リフォームとしては高めの費用ですが、新築の住宅を購入するよりは安いため、こういった方法を選ばれる方もいらっしゃいます。
4: 一軒家を二世帯にリフォームする場合に知っておきたい補助金やローン
(1)長期優良住宅化リフォーム推進事業
(2)リフォームローン
(3)贈与税対策
(4)相続税対策
こういったものがあります。この中で注意したいのが贈与税と相続税ですね。これらは税金なので「知らなかった」は通用しません。
二世帯住宅を考えられる場合、税理士さんへ相談しておいてください。
また、ローンに関してですが、返済方法をきちんと決めておきましょう。
お互いの世帯がどれくらい返済するのか。金額もさることながら期間も重要なポイントになります。
こういった返済に関しては、ファイナンシャルプランナーさんが専門なので相談され、子世帯の今後の収入やライフイベント、親世帯の収入とライフイベントを考慮して計画的に無理なく進められるようにしておきましょう。
5: まとめ
二世帯住宅へのリフォームは、生活に対する安心安全を考え、信頼できる家族同士が助け合いながら暮らすにはベストな方法だと思います。
特に今回のような経済的な不安や健康への不安が広まると、程良い距離感でお互いが助け合えることが必要になってきます。
未来の不安を減らすためにも、二世帯へのリフォームを具体的に検討されてみてはいかがでしょうか。