畳の部屋をフローリングにリフォームする方法と注意点とは?
畳の部屋をお持ちの戸建て住宅の方から、フローリングにリフォームしたいというご相談をいただくことがあります。
畳の部屋はリラックスできるので良いけれど、ライフスタイルの変化や家族構成の変化によって洋室にして利用したいという方も多いようです。
そこで今回はリフォーム専門業であるアップクラフトが、畳の部屋をフローリングにリフォームする方法や注意点についてご説明していきたいと思います。
Contents
1: 畳の部屋をフローリングにする方法
畳の部屋をフローリングにする方法には3つのパターンがあります。それぞれに特色がありますし、費用目安も変わってきます。
(1)畳を剥がしてフローリングへ張り替える
一般的なリフォームの方法です。今ある畳を剥がしてフローリングへ張り替えることで次のようなメリットを感じていただくことができるでしょう。
■メリット
- フローリングに本物の木材など、こだわりの材料を使うことができるのでかなり満足感の高い洋室になります。当然ですが本物の木材を使ったフローリングは裸足で歩いたときに伝わってくる感触も違います。
- 畳の部屋は廊下よりも下がっていますので、高さをあわせることで扉や廊下との段差をなくすことができます。ご高齢の方など、転倒の不安をお持ちの方にもおすすめのリフォーム方法です。
- 湿気でカビの発生が少ないです。畳を取り除いてフローリングに適した床に施工し直しますので、見えないところのカビ発生を防げます。
■デメリット
- 工事期間が長いです。朝から始めてその日の夕方に終わる。ということはありません。床下の工事や高さを合わせる工事。フローリングを張る作業などを含めて、1室2~3日は必要になります。
- 床下の工事から行いますので、どうしても費用が高くなります。またフローリングの材料にこだわると、良いものは費用が高くなります。
■費用目安
お部屋の広さや床下の状態によってリフォーム費用は変わりますが、おおむね8畳のお部屋ですと、材料費や工事費用、修繕費用などすべてを含んで25万円~30万円が目安です。
(2)畳の上からウッドカーペットを敷く
大変簡単にできるリフォーム方法が、畳の上からウッドカーペットを敷くという方法です。
この方法なら、ウッドカーペットを購入すれば誰でも簡単に洋間にすることができます。
■メリット
- 工事の日数が少ない。すぐにできるので大変便利。
- リフォームが簡単。上から敷くだけなので誰にでもできます。
- 賃貸物件でも可能です。
■デメリット
- 下になった畳に湿気がたまりやすいので、知らない間にカビが発生していることもあります。季節の変わり目にウッドカーペットを取り除いておくと安心ですが、面倒なのでほとんどの人はやりませんよね?
- お部屋の大きさにぴったり合ったウッドカーペットを見つけるのは大変難しいです。最近の間取りですと、中途半端なサイズになっていることもありますので、少し大きめのものを購入して、家具で見えない部分を折り返して合わせることになります。
- 賃貸で多いのが「変形のお部屋」です。お部屋の角が飛び出しているとか、お部屋の隅が三角になっているとか。こういった場合、すっきりと敷くことが難しくなります。
■費用目安
ウッドカーペットも材質は防カビ機能などによって価格に幅があります。おおむね8畳のお部屋に使われるのなら、3万円~6万円くらいのものがおすすめできる価格帯です。
(3)畳の上からクッションフロアを張る
ウッドカーペットではなく、フローリングを畳の上から張るという方法もあります。
■メリット
- とにかく手軽にリフォームできます。ウッドカーペットよりも敷きやすいです。
- 費用が安いです。ウッドカーペットよりも低価格なので、簡単に洋間へリフォームされたい方におすすめです。
- 劣化しても買い換えやすいお値段なのもメリットです。
■デメリット
- ウッドカーペットと同じですが、下になった畳にカビが発生しやすいので注意が必要です。
- 畳の上に敷いていますので、畳の表面が痛みやすいです。賃貸の場合は気をつけておきたいですね。
- どうしても「安っぽく」見えてしまいます。お客様を通さない家族だけが使うお部屋なら気にならないかもしれません。
■費用目安
8畳ですと3万円~5万円くらいで洋間に変身できます。とにかく費用を抑えたい方におすすめです。
2: 畳の部屋をフローリングにするときの注意点
フローリングにするとき、次の点を注意しておきましょう。生活する上での快適さが変わってきます。
(1)防音対策
フローリングは畳よりも薄くできています。そのため畳を剥がしてフローリングにされるときには、遮音性の高いものを選んでおきたいところです。
また、戸建て住宅ではなく分譲マンションの場合ですと、マンションの規定によって防音基準が設定されているところもございます。
条件を満たすフローリングを選ぶようにしてください。
(2)冷え対策
冬のフローリングは冷たくなりやすいです。そのため床下に断熱材を入れるなど、地域の気候や温度差にあわせて工夫するようにしておきましょう。
畳を剥がしてフローリングにされる場合なら、床下暖房も一緒に検討されるのも良い方法だと思います。
(3)掃除のしやすさ
フローリングは畳よりも汚れに強いです。ちょっとくらい汚れてもサッとふき取れることが多いです。
反面、フローリングは畳よりもホコリや傷が目立ちやすいという特性もあります。
お掃除やメンテナンスのしやすさを、リフォーム業者さんの経験から聞いておきましょう。
(4)湿気対策
フローリングにすると部屋の中の密閉度が高くなる傾向にあります。そのため適切に床下の対策をしておかないと、フローリングが湿気を吸い込んでしまう可能性が出てきます。
こういった対策は、リフォームの経験がないと最適なアドバイスが難しい部分です。リフォーム業者の工事事例を見せてもらいながら、どういった対策が必要なのか教えてもらうと安心です。
(5)業者の技術
フローリングの中でも木材を使ったフローリングを選ぶ場合、経年劣化によって反りや割れが起こることもあります。
こういったトラブルを事前に理解し、木材の伸縮性なども考慮した高い施工技術が必要です。
どのような材料を使ったフローリングのリフォーム経験があるのか。リフォーム業者によって得手不得手がありますので確認してから依頼するようにしてください。
3: まとめ
畳の部屋は日本人には快適なスペースです。しかし、最近のライフスタイルの変化や、高齢者の方の介助や介護を考えると畳の部屋は安全に使いづらいこともあります。
従来の固定概念にとらわれることなく、ご自身の家族や暮らし方にあわせてフローリングへのリフォームを行っていただきたいと思います。
豊かな暮らしには、安全で使いやすい空間が必要です。